2026年10月11日(日)

溶接ヒューム、対策急務

関連需要広がる

 今年4月から金属アーク溶接作業で発生する溶接ヒュームが、人体に影響がある特定化学物質として規制の対象になることから、対策が急務になっている。屋内でアーク溶接を行う現場では、発生するヒューム濃度の測定、その結果に基づく換気対策やマスクなどの呼吸用保護具の使用が必要になる。規制は今年4月1日に施行されるが、22年3月末まで1年の経過措置があるため、4月以降、中小企業などから対策に関する相談や関連需要が増える可能性が高い。

適切な換気装置やマスク

 溶接ヒュームは、金属アークを溶接する際に発生する粒子状の物質。大量に浴びると、がんの発生リスクが高まったり、含有されるマンガンによって神経機能の障害を引き起こしたりする恐れがある。

 厚生労働省では、溶接ヒュームによる健康被害の可能性が明らかになったことから、2020年に労働安全衛生法の特別化学物質障害予防規則(特化測)の改正を公布。溶接ヒュームを人体に影響がある特定化学物質として規制対象に加え、今年4月から屋内でアーク溶接を行う現場に対し、必要な措置を義務付ける。

 措置はいくつかの段階に分かれる。まず溶接ヒュームの濃度測定。作業者個人のばく露を測定するもので、十分な知識と経験を持つ第一種作業環境測定士や、作業環境測定機機関が濃度を測る必要がある。そして、測定した濃度に応じて対策が必要になる。マンガンの含有量が一定量以下だと、作業者に防じんマスクなどの呼吸用保護具の使用させなければならない。

 一定量以上だと、装置の設置など抜本的な対策が必要になる。集じん装置の設置、プッシュプルプルの換気装置、局所排気装置、全体換気装置、ヒュームの適切な除去などが求められる。さらに、対策を講じた後に再度測定し、有効な呼吸保護具の使用が必要になる。対策後も年1回は適切に運用されているかの検査がある。

 規制は4月1日の施行だが、来年3月31日までの1年の経過措置を設けている。このため、4月以降に、関連需要や相談が増える可能性が高い。溶接ヒューム対策に注力する商社の担当者は「市場の規模は読み切れないが、アーク溶接の現場は少なくない。また、これから対策するという中小企業は多く、需要はこれから本格化する」とみている。

日本産機新聞 2021年2月5日

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