2021年3月8日(月)

この人に聞く
サンドビック マイケル・エネベリ社長

営業組織を刷新

 サンドビックは2019年、組織体制を見直し、国内の営業体制を西日本と東日本の2つの営業統括本部に分けることで、より地域密着型の営業戦略を進めていく。技術やエンジニアリング、マーケティングなど営業以外のサポート体制もグローバル組織と統合することで、広い視野で営業戦略やサポート体制を構築することが狙いだ。今期は同社が力を注ぐデジタル工具の販売を目前に控えており、代理店や販売店など販売パートナーとの関係性を強化し、デジタル化の波が続くユーザー層に新しい提案を訴求する。そこでマイケル・エネベリ社長に組織変更の背景やデジタル工具にかける思い、今後の展望を聞いた。

デジタル工具の販売目前  地域に密着、最適な戦略を

 —日本を2つの営業統括本部に分けました。

 当社では16年頃から国境のない組織作りを始め、東南アジア・オセアニア、中国、インド、西日本、東日本といった地域別に分けた営業活動を強化し、地域にあった戦略を立案している。日本では西日本で歴史も長く情報も整っているため、営業体制が構築できているものの、東日本はまだ歴史が浅く、販売パートナーがいない都道府県もあるなど課題もあった。新規開拓やシェア獲得など東日本に適した戦略を立てる必要がある。

 —営業組織の変更で代理店や販売店への影響は。

 地域の営業活動はそれぞれの営業統括本部の活動に任せ、技術部やエンジニアリングといった部門は本社に集約しているので大きな変更はない。まだ情報が少ないため、今後どんなことができるか検討していく。

 —日本の製造業は好調を維持していますが、今期注目する市場は。

 工作機械業界は堅調。そのほか、日本で多くの部品が製造されている航空機、半導体、ロボット産業などが魅力的だ。自動車産業も重要であるが、数字上の生産台数は伸びていない。今後は海外展開も強まる可能性がある。その中で当社は革新的な加工方法のCoroTurn PrimeやCoroCut QD
Y軸用突切り工具、パワースカイビング工具など自動車部品向けのラインナップも強化し、シェアを維持していきたい。

 —今年はデジタル工具の販売が控えています。

 デジタル工具の販売については非常に興奮している。IoT構想『CoroPlus(コロプラス)』を具体化したSilent Teels
PlusやCoromant Capto DTH Plusはユーザーの生産性などを劇的に向上させる力がある。Silent Teels Plusではこれまで可視化できなかった長尺物の内径旋削加工中の情報をセンサでモニタリングすることで安全な加工へと導く。大型部品だと材料の価格も高いため失敗は大きな損失になる。これは失敗をなくすための技術だ。Coromant Capt DTH Plusはセンサを内蔵し、製品の寿命を可視化することで保全の要素を持つ。そのほか、工作機械のスピンドルセンサから切削抵抗を感知して工具の変化をモニタリングできるCoroPlusプロセスコントロールをはじめ、歯車加工や押し・引き両方向の旋削加工に対応するプライムターニングなど特有の加工に対し、最適なツールパスを生成するCoroPlusツールパスなど様々なデジタル技術を開発している。

 —貴社が推進するユーザーの生産性向上にも大きく関わるテーマですね。

 10年前からPIP(生産性向上プログラム)を設けて、ユーザーのダウンタイム改善を推進してきた。当社はマテリアル(材料)、メカニック(機械)の技術は持っているが、そこにIT(デジタル)が加わり、数倍の生産性向上が実現できるかもしれない。でも、それはまだ始まったばかりだ。当社はチップ交換式やコーテイング工具などを初めて世界の市場に導入してきた。固有技術にインダストリー4・0というITを含めることで、日本の人材不足や国際競争力に貢献できると思う。

日本産機新聞2019年3月20日

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