2025年5月19日(月)

宇都宮事業所にソリューション棟 −ミツトヨ –

最先端の測定技術を提案

 ミツトヨ(川崎市高津区、044-813-8201)はこのほど、今年6月に宇都宮事業所(栃木県宇都宮市)内に建築した「ソリューション棟」を公開した。地上3階建てで、延べ面積は6849㎡。ショールーム機能と測定器の校正業務を行うラボを併設。最先端の測定技術を提案する営業拠点として活動を展開していく。

ソリューション棟外観

ショールームと校正ラボ

工場内をリアルタイムで表示
インライン/ニアラインゾーン

 同棟の1、2階部には、同社最大のショールーム「M³Solution Center UTSUNOMIYA(エムキューブ・ソリューションセンタ・宇都宮)」を設置した。宇都宮事業所内にあったショールームを移転し、リニューアルオープン。1階部に大型三次元測定機など同社の測定機器1050点を展示し、2階には応接スペースを設けた。

 展示スペース内は黒を基調とし、あえて鉄骨をむき出しにするなど、生産現場をイメージした。「生産現場の近くで測定を行うという近年の測定ニーズを表現した」(同社広報)という。新商品を展示する「コンセプトゾーン」のほか、生産ラインでの測定技術を紹介する「インライン/ニアラインゾーン」を設けた。

上:大型三次元測定機の展示や測定テストを行う「テストチャンバー」を設ける/右下:測定工具を展示、VRを活用し、商品情報なども閲覧できる/左下:測定工具を展示、VRを活用し、商品情報なども閲覧できる

 「インライン/ニアラインゾーン」では、ファナック製ロボットアームを搭載した牧野フライス製作所のモバイルロボット「iAssist(AGV)」で加工から測定までの一連工程を自動化する提案を展示。「かつては検査室の中のものだった測定機器が、生産工程の中で動的に機能し、中心的な役割を果たす様を見てほしい。当社のものづくりを通じて、様々なアイデアを持ち帰ってもらえる場にしていきたい」(宇都宮事業所の加納孝文所長)。

上:1階エントランス/下:1階の商品展示スペース

 また、機器だけでなく、測定工具も展示。拡張現実(AR)技術を活用し、スマホやタブレットなどで製品情報を確認することができる。その他、展示スペースには宇都宮事業所内の工場とリアルタイムで繋いだモニタを設置。同社製品を活用した測定工具の検査ラインなどを映し、活用事例を紹介する。

 ショールームのほか、測定器の校正業務を行う「キャリブレーション・ラボ」も併設。20℃±0・5~1℃で温度管理された校正室で校正や検査、修理サービスを提供するほか、校正証明書や各種書類なども発行する。

上:キャリブレーション・ラボはJCSS登録・ILAC-MRA認定を取得/下:キャリブレーション・ラボは全世界に30拠点
右上:ガラス面には宇都宮事業所伝統の松の木を映し出す/右下:松の木で製作した定規のノベルティ/左:事業所内の松の木で製作したオブジェ

 

 

 

 

 

 

 

日本産機新聞 2020年12月5日

[ ニュース ][ 会社移転・新設 ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

ミスミグループ本社 自販機で間接資材の調達時間7割減

ミスミグループ本社 自販機で間接資材の調達時間7割減

ミスミグループ本社は4月から、自動販売機による間接材の調達コストを削減するサービスを開始した。ユーザーの工場に自動販売機を設置し、発注頻度の高い商品を中心に販売する。発注や在庫の手間、不正な商品の購入防止につなげる。間接 […]

エバオン、サンコーインダストリー、トラスコ中山の取り組みに迫る【特集:商社の物流戦略】

物流強化に動く卸商社 卸商社の機能として昔から言われる「人・モノ・金・情報」。中でも、近年は「モノ」である物流機能の強化に動く卸商社が増えている。 背景の一つには顕在化してきた「物流2024年問題」がある。いまや配送業者 […]

タツタ  碓井克久社長に聞く

タツタ  碓井克久社長に聞く

機器と電気の知見を融合 伝導機商社のタツタ(大阪市西区、06・6538・3131)が制御や電気関連に強い企業のグループになって1年半。社長に就いて約1年を経て、碓井克久社長は「それぞれの強みである機器と電気の知見を融合さ […]

トピックス

関連サイト