2026年10月10日(土)

この人に聞く –原口機工 大橋 正彦 社長–

 原口機工は南大阪を中心に和歌山や三重などにも展開する機械工具販売店。創業から71年、取引するユーザーは長い歴史で培った提案力に信頼を寄せる。ただ、大橋正彦社長は「変化の時代。変えるべきことは明確に判断し、実行していきたい」と未来を見据える。その背景と今後の目標を聞いた。

変えるべきことを変える

1983年生まれ、大阪市出身。2005年京都産業大学卒、高圧ガス工業入社。10年牛田幸吉社長(現会長)にオファーを受け、11年原口機工に。15年常務、19年社長に就任。

 昨年8月、牛田幸吉会長(当時社長)の後を継ぎ、社長に就任しました。当初はこれまでのやり方を変えずに1年じっくり、経営者として会社を見ようと考えていました。しかしその考え方では取り残されると思い、考えを改めました。

 それは時代の変化があまりにも早いから。ネット販売がシェアを広げ、その一方、AIやロボットなど次々と新技術が登場する。取り巻く環境が急速に変化する中、時流に沿って、スピード感を持ち、変えるべきことを判断していくべきと感じました。

 その一つとして痛切に感じているのが、独自のカラーをつくることだと思っています。求められた商品を仕入れて取引先(ユーザー)にお届けする。そんな「右から左」だけの商売では、これからは勝ち残ってはいけない。

 例えば、生産効率改善や技術開発に役立つ生産財や技術の情報を取引先に発信する。取引先同士の新たな協業のきっかけを生み出す出会いの場をつくる。そうした取り組みに力を入れ、独自のカラーへと育て、会社の力を底上げしていきたいと思っています。

 逆に、変えてはいけないものもあると思っています。それは71年の歴史で先人が築いてきた取引先との信頼関係。提案力や商品知識を常に高め、ニーズに応える。それを積み上げてきた延長線に今の信頼関係があります。そしてその提案力やノウハウが社員に受け継がれ、競争力の源となっています。

 社長に就任するとき、およそ2カ月をかけ、自ら、そして会社を見つめ直し、経営理念や今後のビジョンを見直しました。今後はこの方針を軸にして、変化に柔軟に事業を展開してきたいと考えています。

 ただ、会社は経営者を含め、従業員全員のためにあります。仕事への思いや、頑張り方はそれぞれ違います。けれど、百人百様の個性を活かしてベクトルを一つにし、幸せを感じることができる会社にしていきたい。

 私は父の高校時代からの友人である牛田会長に「後継者に」とお誘いを受けて入社し、今に至ります。長年受け継いできた「誠実」な商売を貫き、100周年を迎え、後継者を見つけることが、牛田会長への恩返しと思っています。

日本産機新聞 2020年7月3日

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