2026年6月28日(日)

使い捨てないツーリング –日研工作所–

ツールメンテで現場改善

 日研工作所がツーリングのメンテナンスサービス事業「日研ツールクリニック」を本格的に開始した。ユーザーでは後回しにされがちなテーパクリーニングやツールの振れ測定、メンテナンスを、ユーザーの代行として日研と特約店が行うというもの。日研はテーパクリーナや振れ測定器とノウハウを提供、特約店はメンテナンスを請け負う。現在約20社の特約店が取り組みに名乗りを上げており、さらに全国的に増やしていく考えだ。

特約店と一体で提案

長濱明治社長

 同社が実施する技術講習を受講した特約店のスタッフがユーザーに代わってメンテナンスを行う。テーパの当たりや振れ精度はミクロン単位の高精度が要求されるが、同社のテーパクリーナは特殊なゴム砥石を使用し、テーパを傷つけず、寸法変化無く錆を取ることができる。メンテナンスのパターンは主に次の3つ。

 ①特約店がメンテナンス機器を保有して、ユーザーからツーリングを預かってクリーニングとメンテナンスを行う。

 ②同じく特約店がメンテナンス機器を保有するが、大手ユーザーなどの工具室内に機器を置いて、特約店がクリーニングとメンテナンスを工具室で行う。

 ③機器をユーザー自身が購入し、クリーニングとメンテナンスは特約店が出向いて行う。

 メンテナンス及び測定結果は、診断書としてユーザーに提出する。同時に、同社がこれまで収集してきたテーパ当たりや振れに関するデータを元にツーリングの取り扱いに関する提案も行う予定。

 長濱明治社長は「機械性能を損ねず、生産システムとしてベストなパフォーマンスを引き出すことがツーリングの役割」という。「自動化が進む中、テーパ当たりが重要であり、ツーリングは錆びたら単に使い捨てるものではなく、定期的管理が必要。今後は、チャッキングの問題点などユーザーの困り事に対してソリューションの提供を特約店の方々と一緒にやっていきたい。ツーリングの健康な状態を維持して、ユーザーにベストなパフォーマンスを提供することもまた当社の使命」とも。

 機械とのインターフェース、切削工具のチャッキングの2つをベストの状態で維持することが、加工システム全体の力をフルに発揮することにつながる。また、SDGsへの意識の高まりやユーザーが進める更なる自動化が、ツーリングのメンテナンスに対するニーズを増やすと見られる。

 「ユーザーの困り事に応える形で、メンテナンスの範囲や提供商品を拡大し、現場改善に貢献していきたい」と長濱社長。

日本産機新聞 2020年7月3日

[ インタビュー ][ メーカー ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

精工産業  鈴木 浩司常務に聞く 高度化、多様化する測定・検査のニーズとは【特集:測定・検査の効率化】

機械工具や鋼材を扱う精工産業は昨年7月、ユーザーの測定業務を請け負う「計測技術室」を開設し、測定や検査分野を強化している。同事業を立ち上げた鈴木浩司常務取締役は「測定や検査業務のニーズの変化を感じる」と話す。自動化や効率 […]

東京精密「砥石補正と接触検知で測定レス、バランス取りも30分を1分に」【特集:測定・検査の効率化】

「オートバランサ」、「AEセンサシステム」 最終工程に近い研削加工では、常に高い加工精度が求められる。しかし、機械の振動で精度が低下してしまうことがある。その最大の理由が砥石の摩耗などによって砥石のバランスが悪くなること […]

東日製作所「角度とトルク監視で二度締めを検出し作業データの入力も不要に」【特集:測定・検査の効率化】

デジタルトルクドライバ「STC3-BT」 半導体製造装置や電子機器の組み立てで多く使われる低トルク領域のトルクドライバ。締付けたトルクの数値管理を手間だと思うユーザーは多い。東日製作所が今夏に発売するデジタルトルクドライ […]

トピックス

関連サイト