2026年9月30日(水)

使い捨てないツーリング –日研工作所–

ツールメンテで現場改善

 日研工作所がツーリングのメンテナンスサービス事業「日研ツールクリニック」を本格的に開始した。ユーザーでは後回しにされがちなテーパクリーニングやツールの振れ測定、メンテナンスを、ユーザーの代行として日研と特約店が行うというもの。日研はテーパクリーナや振れ測定器とノウハウを提供、特約店はメンテナンスを請け負う。現在約20社の特約店が取り組みに名乗りを上げており、さらに全国的に増やしていく考えだ。

特約店と一体で提案

長濱明治社長

 同社が実施する技術講習を受講した特約店のスタッフがユーザーに代わってメンテナンスを行う。テーパの当たりや振れ精度はミクロン単位の高精度が要求されるが、同社のテーパクリーナは特殊なゴム砥石を使用し、テーパを傷つけず、寸法変化無く錆を取ることができる。メンテナンスのパターンは主に次の3つ。

 ①特約店がメンテナンス機器を保有して、ユーザーからツーリングを預かってクリーニングとメンテナンスを行う。

 ②同じく特約店がメンテナンス機器を保有するが、大手ユーザーなどの工具室内に機器を置いて、特約店がクリーニングとメンテナンスを工具室で行う。

 ③機器をユーザー自身が購入し、クリーニングとメンテナンスは特約店が出向いて行う。

 メンテナンス及び測定結果は、診断書としてユーザーに提出する。同時に、同社がこれまで収集してきたテーパ当たりや振れに関するデータを元にツーリングの取り扱いに関する提案も行う予定。

 長濱明治社長は「機械性能を損ねず、生産システムとしてベストなパフォーマンスを引き出すことがツーリングの役割」という。「自動化が進む中、テーパ当たりが重要であり、ツーリングは錆びたら単に使い捨てるものではなく、定期的管理が必要。今後は、チャッキングの問題点などユーザーの困り事に対してソリューションの提供を特約店の方々と一緒にやっていきたい。ツーリングの健康な状態を維持して、ユーザーにベストなパフォーマンスを提供することもまた当社の使命」とも。

 機械とのインターフェース、切削工具のチャッキングの2つをベストの状態で維持することが、加工システム全体の力をフルに発揮することにつながる。また、SDGsへの意識の高まりやユーザーが進める更なる自動化が、ツーリングのメンテナンスに対するニーズを増やすと見られる。

 「ユーザーの困り事に応える形で、メンテナンスの範囲や提供商品を拡大し、現場改善に貢献していきたい」と長濱社長。

日本産機新聞 2020年7月3日

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