2020年7月4日(土)

ニチダイ(京都・京田辺市) –ユーザーに聞く–

 東日本大震災に代表される地震や台風など水害の頻発で、企業におけるBCP(事業継続計画)の重要度は高まっている。そこへ新型コロナウィルスによる感染症対策が喫緊の課題として浮上し、さらなる対策が必要不可欠だ。そこで、従来のBCPから直近の感染症対策まで取り組む金型メーカーの現状に迫る。

 

ものづくりの現場どう活かす

 冷間鍛造金型や精密鍛造品、フィルター製品などを手掛けるニチダイ(京都府京田辺市)は、新型コロナウィルスの感染拡大を受け、社内に対策チームを立ち上げ、組織力で感染症の封じ込めに全力を投じている。

組織で動く重要性

 同社は2007年から地震や水害など災害による事業継続のリスクを回避する「リスク管理規程」を策定し、防災対策やサプライチェーンの管理、対策本部の立ち上げ、社内への情報発信、社外に対する広報などガイドラインを設けた。「まずは災害による事業継続のリスクを認識し、その上で在庫をするなど、少しずつ対応を図っていた」と話すのは同社の伊藤直紀副社長。社員への情報共有や在庫管理といった非常時に備えた組織作りを図った。

テレワークなど環境整備も

 今回の新型コロナウィルスについては「1月下旬から危機を認識しており、対策チームを立ち上げ、2月から出張の制限、手洗い・消毒・咳エチケットの徹底を全社員に呼び掛けた。経営陣も毎日集まり、日々変化する状況の中、スピード感をもって対応に取り組んでいる」と話す。同社の新型コロナウィルス対策は社内感染者ゼロをスローガンに「持ち込まない・うつさない・持ち帰らない」の3原則。2月末から全社員に出勤前の検温の実施をはじめ、マスク着用の義務化、手洗い・うがい、消毒の徹底、時差出勤、一部テレワーク実施などを導入した。

 また、Web会議システムの活用や食堂の分散など3密を避ける体制を図り、徹底して感染症対策を実行。「工場内の出入り口には必ず消毒液を設置し、帰宅時にも消毒を推奨している」と、意識の徹底を図った。また、万が一に感染者が出た場合に備え、量産分野では在庫の確保やシフトの工夫などで対応する準備を整えた。

 伊藤副社長は「コロナ対策で分かったことは個々によって自粛の度合いや伝わり方など感度も異なるため、全社員の意識レベルを合わせることが難しい」と話す。その上でこのような有事に対し、BCPを上手く作動させていくことが今後の課題だという。また、BCP対策として「製造業でもテレワークに対応した環境を整えることが必要になる」と語った。

ニチダイ

  • 本  社:京都府京田辺市薪北町田13
  • 電  話:0774-62-3481
  • 代 表 者:古屋元伸社長
  • 創  業:1959年
  • 従業員数:682人
  • 事業内容:精密鍛造金型の開発・製造・販売、精密鍛造品及び成形品の開発・製造・販売、各種ろ過装置及び金属ろ過材料の開発・製造・販売など

日本産機新聞 2020年6月19日

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