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機械工具上場商社 –2020年3月期決算–
米中摩擦やコロナで8社が減収
通期予想公表を見送り
機械工具上場商社9社の2020年3月期決算(トラスコ中山は20年12月期、NaITOは20年2月期)が出そろい、8社が減収となる厳しい決算となった。下期以降、米中貿易摩擦が本格化し、世界的に需要が停滞。年明け以降は新型コロナウイルスの感染拡大で、中国での需要が減少した。コロナの影響が国内で出始めるのはこれからとの見方が大半で、不透明感は増している。トラスコ中山以外の全社が業績予想を公表しないなど、コロナの影響は読み切れない難しい状況が続く。
日本工作機械工業会の19年度の受注総額は1兆995億円と10年ぶりに1兆1000億円を割り込んだ。自動化や5G向けの需要があったものの、自動車需要が低迷。下期以降は米中貿易摩擦が本格化し、世界的に需要が減速した。受注額は8月に1000億円を切り、それ以降右肩下がりの状況が続いている。
こうした状況を受け、機械に強い山善の機械事業部の売上高は23%減の1314億円と大きくマイナスとなった。特に海外が厳しく34%減少した。ユアサ商事の機械部門の売上高も1224億円と6%減少。ただ、建機や建築・エクステリア部門が増収となったことで、全社的には微減にとどまった。フルサト工業も機械・設備部門の売上高は14%減の207億円となったが、建築配管部門が1・3%増の342億円と下支えした。
伝導関連が主力で、設備関連に強い日伝や鳥羽洋行は10%近く減収。工作機械の減少は消耗品にも影響し、切削工具に強いNaITOやCominixはそれぞれ7・1%、8・6%の減収となった。
景気停滞に追い打ちをかけるように、1月に中国でコロナウイルスの感染が拡大。「中国向けの需要が急減し、国内の期末の駆け込み需要にも急ブレーキがかかった」(ある商社幹部)。そんな中で、トラスコ中山は1—3月売上高で3・1%増の574億円を確保。ネット通販向けが101億円と2割近く伸びるなど、巣ごもり需要を上手く捉えた。
ただ国内でコロナの影響が本格化するのはこれからという見方が大半。すでに緊急事態宣言が出された4月の工作機械の受注額(速報値)は561億円とリーマンショックの余波が残る10年1月以来の水準にまで落ち込んでいる。
コロナの収束が見えない中で、底打ちも見通せない。12月期決算のトラスコ中山は5%増の2316億円と通期予想を発表しているが、残る全社が通期予想の公表を見送るなど、コロナによる影響が読めない難しい状況が続く。
日本産機新聞 2020年5月20日
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