今年も機械工具業界にはニューフェイスたちがやってきた。そこで本紙は各社の入社式を取材。社長たちによる新入社員に向けたの激励の訓示を紹介する。 エバオン・前西衛社長「働きやすい環境で」 初めから仕事ができるスーパーマンはい […]
どうしましょう
日常から考える訓練を
読む力
「上司ならどう判断するか」「自分が社長ならどう考えるか」。いつも意識するように言ってきたつもりでも、その思いはなかなか伝わりにくい。
「どうしましょう」とか、「一通り意見は出ました。どうしますか」と聞いてくる。上司の意見に従うという意思表示なのか、決まったことに責任を持ちたくないのか、はたまた出てきた様々な意見を絞り込んだり調整したりする能力が無いのか。
「どうしましょう」と聞かれ、つい答えて反省するのを繰り返している。
ある商社の社長は、会議では意見を言わないという。その代わり、会議の主催者と事前に背景や落とし所について打ち合わせておく。もちろん、皆の意見によって修正が加わる場合もある。またあるメーカーの社長は、「意見が二つに分かれた場合だけ、決断のための発言をする」という。
管理職に必要なのは、専門的な能力に加えて「全体を読み」、全体最適を考える力だ。
メーカーであれば、商品開発から製造、販売、さらに販売店やユーザーまでの流れを理解し、自社の市場での立ち位置や評価を知ることにより、その一連の流れの中での自分の役割や日々の仕事の意味も理解することができる。商社であれば、仕入れから在庫、販売までの流れや臨機応変の判断の機微。メーカーの立場や販売店、ユーザーの立場も考える必要がある。
これは、日常から「社長だったら」「上司だったら」という意識を持ちながら仕事をするか、ただ漫然と業務をこなすかで数年すれば個人の能力に大きな差が生まれてくる。
最近の新型コロナウイルス感染拡大防止への取り組みとして、「原則、営業禁止」に踏み切った商社がある。自社の社員を守るだけでなく、「営業マンに訪問された顧客がどう感じるか」に思いを馳せた結果だろう。「不急の来訪を遠慮下さい」と言われているのだから。
新入社員なら、少なくとも自分の仕事の前後がどんなことをしているのかを知るだけでも、自分の後工程が楽な形で仕事を渡すことを考えられる。
これは相手の立場で考える力であり、顧客のニーズをつかむ力になり、相手が必要とする情報を要求される前に提供する力にもなる。
管理職から経営幹部へと見据えた場合、全体を見る力が必要となる。始めるのに遅いということはない。読む力を身につける訓練をして欲しい。
日本産機新聞 2020年4月5日
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