2021年10月18日(月)

機械工具業界にもコロナ影響キャンセルや欠品

 新型コロナウイルスの影響が機械工具業界にも広がっている。展示会やセミナーなどイベントの中止が相次ぎ、まだ大きな影響は出ていないものの、一部では機械のキャンセルや、仕入れの遅れ、欠品する製品も出始めている。一方で、日本国内に生産を戻したり、調達先の見直しを進めたりする動きもある。いずれにせよ、政府が2月下旬に、「収束には、ここ1~2週間が極めて重要になる」と示したように、今後の展開次第で読めない部分も多く、予断を許さない状況が続く。

キャンセルや欠品 

 3月は代理店会やセミナーが多く開かれるシーズンだが、大半の商社やメーカーでは、開催を延期もしくは中止を発表した。展示会も2月から3月にかけては軒並み中止となっている。こうしたイベントだけでなく、商売でも新型肺炎の影響が少しずつ出始めている。

 ある機械商社によると、中国に輸出する部品を加工するユーザーで2月中旬に初めてキャンセルが出たという。中国向けの仕事がストップし、投資を無期限で延期したからだ。同社によると「キャンセルは数件で影響は軽微だが、長引くと増える可能性もある」。

 関東のある販売店では、欠品の拡大を懸念している。当初のマスクだけでなく、LEDや接着剤など中国製のあらゆるものが入ってこなくなりつつあるという。電動工具や空調機器など中国の部品を使う製品も出荷規制がかかっており、入ってこない状況だという。

 とはいえ、供給での影響はまだ限定的だ。ある切削工具メーカーは「中国調達の原料を確保していたのと、昨今の受注減のおかげで、当面はひっ迫しない」。中国に工場がある機構部品メーカーでも「国内供給分は国内生産なので、材料も含めて全く心配ない」としており、極端な供給不足はまだ起きていない。

 一方で、逆に仕事が増えている金型や部品メーカーが出てきている。中国地方の部品メーカーは、この1週間で仕事が増えたという。依頼主は日本のユーザー。中国企業に発注していたが、調達できなくなったり、自主的に中国企業からの調達をやめたためだ。

 大手のプレスメーカーでは2月下旬、武漢で作っていた部品を日本で代替生産することを決めた。武漢の工場再稼働が全く見えないからだ。こうした状況を踏まえ、ある機械メーカーでは「中国からの仕事増えていませんか」とヒアリングするように指示している。

代替生産、調達見直しも

 とはいえ、先行きは流動的で全く読めない。政府が「収束にはこの1~2週間が重要」と指摘したように、感染拡大が見えないためだ。前述の販売店では、2月の売上は例年並みだったが、「お客さんがブレーキを踏んでいる感じが見られる。消耗品の販売でも影響が出てくるのではないか」と不安を口にする。

 こうした懸念を踏まえたうえで、半導体装置向けのユーザーも多い、先の機構部品メーカーの幹部は言う。「足元は不透明だが、5Gや自動運転など長期トレンドでは、半導体向けは右肩上がりだ。今増産できない分、収束した際に需要が急増する可能性も高く、その時を見据えた対応も進める」。

 今は感染が広がり収束は見えにくい。だが、足元で、ユーザーは投資を見直したり、調達先を変えたりしている。そうした長期的な変化に注視し、次の回復期に備えたい。

 

日本産機新聞 2020年3月5日

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