2020年5月25日(月)

ブランド守り、成長につなげる
三井精機工業 加藤欣一社長に聞く

 今年6月、三井精機工業(埼玉県比企郡、049-297-5555)の社長に加藤欣一専務が就任した。5年ぶりの生え抜き社長で、これまでに精機国内営業部長や生産本部長、事業企画本部長などを歴任してきた。「安全で、生き生きと、誇りを持って働ける会社にしたい」と意気込む加藤新社長に注力する取り組みや今後の事業戦略などを聞いた。

 1956年生まれ、山梨県出身。79年慶應義塾大学工学部機械科卒業後、三井精機工業入社。2004年精機営業副本部長兼国内営業部長、05年取締役、11年同・精機生産本部長、13年常務取締役、14年専務取締役、16年同・事業企画本部長、19年現職

就任の抱負を聞かせて下さい。

 安全で、生き生きと、誇りを持って働ける会社にしたい。当社の特長は、自由な雰囲気で従業員一人ひとりが生き生きと働いていることだと思う。私が当時入社を決めたのも、こうした社風に惹かれたからだ。

重視することは?

 やはり人が重要だ。熟練技能者が減少していく中、人材の育成には特に力を入れていきたい。当社のものづくりは、きさげや組立、調整といった手作業の部分が多く、高度な技能を持った人材が欠かせない。この5年の間でベテランから若手への技能伝承を進めていく。

どんな分野に注力するか?

 当社の工作機械は現在、「航空機」「金型」「部品加工」の3分野向けが主で、国内はおおよそ3割ずつの構成比率になっている。その中でも国内でこれから注力していきたい分野が、「金型」だ。

なぜ金型なのか?

 今後、国内メーカーが手掛ける金型は益々高度化し、より技術的に優れた機械が必要となる。その中で、「高精度」「高性能」「高品質」という当社の機械の強みが活かせると考えたからだ。

 従来からのジグ研削盤やジグボーラーに加え、14年前に開発した5軸立形マシニングセンタ(MC)「Vertex(バーテックス)」シリーズによって、金型のベース加工から形状加工まで幅広い要望に対応できるようになった。さらに一昨年には、「PJ812」という高精度立形MCを開発した。この機械は0・1μm送りの高い追従性が特長で、自動車のヘッドライト用金型などの大物で高い精度が要求される加工に適している。今後、金型業界に向けて積極的にPRしていく。

コンプレッサはどうか?

 「Z‐Screw(ゼット・スクリュー)」という独自の圧縮機構を搭載した当社のコンプレッサは、長寿命、高効率を実現する高い性能を持っている。この製品の良さをPRし、もっと拡販していきたいと考えている。また、今年初めには、新たにコンプレッサの稼働監視システム「Z‐mate(ジー・メイト)Ⅱ」を開発した。予防保全などに活用し、アフターサービスにも力を入れていきたい。

昨年創業90周年を迎えた。次の100周年に向けて目指す姿とは?

 「高精度」「高性能」「高品質」こそが「三井精機工業らしさ」だと考えている。今後もこれを変えるつもりはない。これまでの伝統を受け継いで、長年築き上げてきたブランドを守りながら、さらなる成長へとつなげていきたい。

日本産機新聞 2019年9月20日

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