2021年11月30日(火)

この人に聞く
三菱日立ツール 新見章彦事業戦略本部長

MOLDINO(モルディノ)浸透

 2017年に新ブランド「MOLDINO(モルディノ)」を立ち上げ、金型向け切削工具を強化してきた三菱日立ツール(東京都墨田区、03・6890・5101)。18年4月には事業拡大の舵取り役を担う「事業戦略本部」を設立し、金型市場での存在感をさらに高めようとしている。「金型向け切削工具でグローバルトップメーカーを目指す」と話す新見章彦事業戦略本部長に同本部設立の目的や今後の事業戦略などを聞いた。

1965年生まれ、大阪府出身。84年入社、2014年野洲工場長、16年取締役製造本部長、18年取締役事業戦略本部長。

金型向けで世界トップへ

金型に精通し工具開発

 ー事業戦略本部を設立した目的を教えてください。

 事業戦略の策定と社内の意思統一を図ることが目的だ。当社は17年に「MOLDINO」というブランドを立ち上げ、「金型市場でお客様に新しい価値を提供する独創的な工具メーカーを目指す」という事業目標を示した。この目標を達成するためには、具体的な方策に加え、全社員の足並みを揃えることが重要。「事業戦略本部」は、組織に横串を通し、「MOLDINO的な考え」を社内に浸透させることが役割の一つだと考えている。

 ー「MOLDINO的な考え」とは。

 「当社らしさ」「当社ならでは」を追求することだ。取り巻く市場環境や競合企業の動向に左右されることなく、我々らしい行動とは何かを社員一人ひとりが考えることで、お客様や金型業界にとって良いものを提供できると考えている。

 ー今後の事業拡大に向けた具体的な戦略は。

 今まで以上に金型に精通する。そのために、「金型勉強会」と題し、切削加工提案スタッフ、商品開発スタッフ、CAM担当スタッフ、以前金型製造に携わっていた方々を中心に金型づくりのポイントについて知識を蓄えている。こうした取り組みによって、新しい工具開発につなげられるほか、工具選定やツールパスといったより深い加工提案も可能となる。また、より「MOLDINO的」なサービスの質を向上させていきたい。

 ーその他には。

 生産能力の強化だ。現在の見通しでは、当社の売上は25年度まで年率5%で伸びると考えており、現状の成田(千葉)と野洲(滋賀)の2工場だけだと21年度には増産スペースが足りなくなる。そこで09年までドリル製造工場として稼働していた魚津工場(富山)を20年度中に再稼働させ、需要の増加に対応する。また、増産だけでなく、製品の高精度化や高品質化に向けた設備や人材への投資も進めていく。

 ー今後の展開は。

 お客様である「買う人」、当社の営業や商社、販売店といった「売る人」、製造や開発(創造)の「造る人」の「三方良し」という考えで事業を展開していく。お客様が困ったときにまず「MOLDINO」が頭に浮かぶような存在となり、将来的には金型向け切削工具でグローバルトップメーカーを目指していきたい。

日本産機新聞2019年1月20日号

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