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圧縮機、IoT化加速 稼働状況など監視
予防保全や復旧迅速に
IoT技術を活用したコンプレッサのサービスが本格化してきた。日立産機システムや、北越工業、コベルコ・コンプレッサらが相次いで、コンプレッサに通信機能を搭載し、遠隔で稼働状況などをリアルタイムで把握し、予防保全などにつなげるサービスを開始している。将来的にはデータを蓄積・分析し、個別の省エネ提案につなげる狙いもある。IoT化の流れは加速しているが、工場運営に安定的な稼働が欠かせないことから、コンプレッサのIoT化が先行している。

日立産機システムは昨年5月、IoTを活用したクラウド監視サービス「フィットライブ」を開始した。主力機種の「NEXT3シリーズに通信機能を搭載。稼働監視だけのエコノミープランと、取得したデータをクラウドに蓄積したり、トレンドグラフ表示できたりするスタンダードプランを設定した。
北越工業も昨年秋から、サービス子会社を通じ、これまであったメンテナンスサービスに付加する形で「グッドスマイルサービスプラス」をスタート。遠隔監視装置を内蔵し、稼働状況を把握し、部品交換時期などの予測ができる。稼働時間と年数に合わせて2つのプランを用意した。
コベルコ・コンプレッサは今年2月からIoTサービス「コベリンク」を搭載した機種の出荷を開始した。通信機器を内蔵し、運転状況をリアルタイムで把握することで、日常点検の効率化や復旧時間の短縮につなげる。現在は主力機種への搭載がメーンだが、今後は搭載機種を広げる予定だ。
こうしたサービスの目的は予防保全による操業の安定化や復旧時間の短縮だ。いずれのサービスも常に稼働を監視しているため、異常が発生した際、故障個所を特定しやすく、復旧の短縮化につなげられる。また、定期監視することで、メンテナンス時期も明確になり、保守計画を立てやすくなる。将来的には、蓄積したデータを分析するなどして、コンプレッサ1台ごとの省エネ提案につなげる狙いもある。
一方で、普及に関して課題がないわけではない。それは既存設備への対応だ。ある商社幹部は「複数台制御している工場で1台だけ変更してもメリットは少ない。既設機に搭載できれば提案しやすい」と話す。このあたりはメーカー各社も考えており、日立産機システムでは「全てとは言えないが、対応できる機種には対応する」とし、コベルコ・コンプレッサも「既設機への搭載の可能性を検討していく」という。
IoTに対応した機器は増加しているが、コンプレッサが先行しているとの見方は多い。その理由について、先の商社幹部は「コンプレッサは工場の心臓部で最も止めてはいけない機器。にもかかわらず専門要員がいないので、IoTの監視機能と相性がいい」と話す。今後についても「コンプレッサだけでなく、IoT化の流れは加速しているので、常に最新の動向をチェックしておく必要がある」としている。
日本産機新聞 平成30年(2018年)10月5日号
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