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〜生産現場を訪ねて〜
伊東電機(兵庫県加西市)
ローラにモータを内蔵 搬送の省エネ・効率化
2016年に創業70周年を迎えた伊東電機は、ローラの中にDCブラシレスモータを搭載し、ローラ自身が駆動源となるMDR(Motor-Driven Roller)「DC電源パワーモーラ」の市場展開を加速させている。同製品を駆使した様々な搬送機器を揃えることで、省エネや安全への配慮、省スペース、自由なレイアウト変更など、現場の改善に貢献。さらに、MDRで培ったノウハウを活かし植物工場にも用途を拡大したほか、昨今導入が増えているセンシング技術によるIoT化を進め、情報通信による搬送システムの高度化にも力を入れる。それらの核となるMDRの組立現場を訪ねた。
IoTなど新分野も強化

MDRは起動・停止・スピード調整、方向変換、エラー信号のアウトプットなど、様々な機能をコンピュータで制御できる。同社はMDRだけでなく、制御コントローラ、それを組み立てる装置も含め、すべて自社開発し、モノづくりを大切にする文化と開発力や対応力を育成している。工場は本社第1工場のMDR組立製造、東山第2工場のMDRを使ったモジュール化製品の製造、丸山第3工場は顧客ニーズに合わせたエンジニアリングを行う。

MDRの強みは、耐久性、安全性、簡単配線・簡単制御、そしてエアーレス化の実現だ。従来のAC電源パワーモーラに比べ、高効率のDCブラシレスモータは耐久性が向上。さらに、温度やモータの異常も検知しやすい。MDRが注目されるきっかけは米国郵便公社(USPS)への採用で、「米国は高電圧仕様なのでDCモータ(24V)の安全面が認められ、制御面でも大量の郵便を複雑に仕分けできることができると評価された」。
近年はMDRを駆動源に様々なモジュール化製品を開発。直角分岐のF-RAT、カーブモジュール、傾斜RAT、幅寄せモジュール、スライドオープンゲートなどだ。さらに、自由自在なモジュールの組み合わせと制御変更で簡単にラインの立ち上げを可能にするid-PACは画期的な搬送ソリューションとして提案している。

MDRの可能性は多分野にも広がる。制御のしやすさを活かし、センシングと通信技術を使ったエラーの遠隔解除などIoT化を進めるほか、セル式モジュール型の植物工場を開発し、2017年に千葉県の幕張新都心の地下共同溝に全自動の植物工場「幕張ファーム vechica(ベチカ)」を開設した。レタスやベビーリーフなどを栽培し、2020年に1日5000株出荷を目指すなど、地域牽引未来企業として次世代に目を向ける。
会社概要
代表者:伊東一夫社長
本社住所:兵庫県加西市朝妻町1146‐2
電話:0790・47・1225
従業員数:260人
事業内容:パワーモーラ・制御機器・モジュール・ユニット・システムなど搬送機器関連機器の開発・製造・販売など。植物工場の開発・製造・販売・設置など。
日本産機新聞 平成30年(2018年)5月20日号
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