共有で終わらせず、先を考える 自分が所属する部や課、ひいては会社がどのような方向に進むのかという未来予想図を描くことは管理職の重要な業務の一つだ。ただ、これだけ先が読めない時代に未来を描き切るのは簡単なことではない。ある […]
タンガロイの挑戦-TUNGFORCEの本質-
若手技術者に聞く①
五感に響く工具つくる
技術本部 切削工具開発部 転削工具開発グループ 及川有宇樹氏
たった1本の切削工具でも材料、設計、開発、営業など多くの人の手を経てユーザーに届く。そして、携わった人の分だけの思いが製品に込められていく。1000超の新製品をTUNGFORCEとして発表したタンガロイ。そこには1000を超える思いがある。開発や販売に係った若手技術者4人にそれぞれの思いやこだわりを聞いた。1回目は転削工具を開発する及川有宇樹氏。
重視するのは加工効率

例えば自ら設計した両面仕様で6コーナが使えるエンドミル「ドゥーミニミル」。「6コーナ=経済的と考えがち。それも効果の一つだが、6コーナあるので、切削速度を上げても一個当たりで加工できる距離は短くならない。こちらの利点のほうが大きい」。「工具費が少し高くても、加工時間を短くするほうがトータルの生産性は上がり、結果コストが下がる」からだ。
工具開発では自らの経験上、形状も重要と話す。「優れた材種が開発されても、それを支える形状でなければ100%の性能は引き出せない。逆に言えば工具形状が性能を引き上げることもある」。
「工具は文房具に近い」と話す及川氏。「文房具はモノを生み出す道具。工具も同じで人が使って生きるもの。人が使うからこそ五感に訴える工具を作りたい」とし、設計した工具は自ら実際に削って感覚を確かめる。
「一人一製品の開発を全て任せてもらえるのがやりがい」と話す及川氏。今後も「常識を打ち破るのは難しい。けれど独創的な工具開発で、常識を打ち破り続けられる技術者でありたい」。
日本産機新聞 平成28年(2016年)7月25日号
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