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茨城県に産業集積―特集―
茨城県は2014年、工場立地件数、面積、県外企業立地件数で13年に続き、2年連続全国第1位となった。県内の工業団地数は133カ所を誇り、首都圏へのアクセスのしやすさ、陸・海・空で交通インフラが整っていること、立地企業をサポートする優遇制度の充実などが大きな理由として挙げられる。
大手企業も続々と進出しており、最近では古河市に日野自動車が本社工場を移転することが決まり、サプライヤー企業もその周辺地域に進出している。本特集では、これから産業集積地として新たな市場形成が期待される茨城県の魅力を紹介していく。
活性化する製造業
茨城県といえば、「納豆」や「水戸黄門」を思い浮かべる人が多いかもしれない。しかし、じつは工場の建設に適した高低差の少ない平坦な土地であること、工業団地数が133カ所と多く、現在も20カ所を誘致中と県を挙げて企業立地に取り組むなど「産業立県」として注目を集めている。
経済産業省が発表した2014年の工場立地動向調査によると、電気業を除く工場件数は75件、面積は109㏊、県外企業立地件数は36件となった。電気業を含んでも立地件数は237件、県外企業立地件数は125件と全国第1位、立地面積は690㏊で全国第2位だ。過去10年間(04年~13年)を見た場合も、立地面積は1879㏊、県外企業立地件数は362件と2項目で全国トップとなっている。
この理由はいくつか挙げられる。まずは東京都心から30~150㎞圏内という絶好のロケーションだ。豊富な人材や情報、インフラなどが集まる首都圏に近いことのメリットは大きい。それでありながら、平均地価は1㎡あたり約18300円と神奈川県の約5分の1、埼玉県の半分以下と非常に安い。それだけ、より広い面積の土地が確保できるというわけだ。
その首都圏近郊という地の利をさらに強めているのが、交通インフラの充実だ。都心から県を南北に走る常磐自動車道。群馬、栃木と繋がる北関東自動車道。トラスコ中山やアマゾンなどが周辺に物流倉庫を建設し、今後あらたな流通ルートとして期待される圏央道。東関東自動車道など4つの高速道路が県内に張り巡らされている。
15年度中には、圏央道の堺古河ICからつくば中央IC、東関東自動車道の茨城空港北ICから潮来ICが開通を予定しており、成田空港や都心へのアクセスが格段に向上するほか、東北自動車道や中央自動車道などとも接続可能となり、ますます交通の便は良くなるだろう。
また、茨城県には茨城港(日立港区、常陸那珂港区、大洗港区)と鹿島港と2つの港があり、東京、神奈川の京浜港に代わる物流拠点として期待されている。日立は自動車を中心とし、常陸那珂は建機の物流拠点として発展している。一方、鹿島は周辺に化学プラント工場が集積しており、原料の輸出入の玄関口となっている。
さらに、羽田、成田に次ぐ首都圏第3の空港の茨城空港があり、札幌、神戸、福岡のほか、中国の上海など主要都市圏へアクセスができる。陸・海・空の全てで交通インフラが整っているのだ。
立地環境や交通インフラだけではなく、立地企業を支援する優遇制度の充実も茨城が選ばれる理由のひとつだ。県税の課税免除や工場用水道料金を半分に軽減するもの、県内の工業団地に立地すると20億円の融資が貰えるものなど様々だ。なかには、立地を検討している企業を紹介し、成約すると報償が貰える制度などもある。
また、特定地域に立地する場合の優遇措置もある。たとえば、水戸や日立など東日本大震災で被災した13市町村は「茨城産業再生特区」とし、その地区に立地した企業は、設備を100%減価償却できるなどの特別措置が受けられる。これらの制度に関連した企業立地は、全体のうち約3割、面積では約5割と企業誘致に大きく貢献していると言える。
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茨城の製造品出荷額の割合を見ると、品目ごとのバランスが良いことが分かる。トップは化学工業の1兆5115億6800万円と全体の13・9%を占め、次いで食料品の1兆1611億1400万円が10・7%と続くほか、生産用機械器具の1兆314億3300万円が9・5%、以降は7~5%の品目が多くを占める。
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茨城の過去10年間(04年~13年)の総企業立地面積は1,879ヘクタール(東京ドーム約400個分)、県外企業立地の総件数も362件とともに全国第1位。次いで、立地面積では北海道の1,735ヘクタール、県外企業立地件数では兵庫の262件が続く。
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全体の3.7%で8位
1位 愛知 420,018
2位 神奈川 172,261
3位 大阪 160,245
4位 静岡 156,991
5位 兵庫 140,269
6位 千葉 130,033
7位 埼玉 117,877
8位 茨城 109,013
9位 三重 104,092
10位 広島 85,556
全国の合計出荷額は292兆921億円。茨城は10兆9013億円と全体の3・7%を占め、全国第8位。第1位は愛知で42兆18億円、次いで神奈川の17兆2261億円、大阪の16兆245億円が続く。関東4県、近畿3県、中部2県、中国1県がランクインした。
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分譲では代金の1%
茨城県では産業集積を目指すため、企業誘致に関して様々な仕組みや制度を設けている。その中でも、機械工具販売店にとって面白い制度のひとつが「立地希望企業紹介制度」だ。
県や開発公社が分譲している工業団地の購入やリースを検討している企業を紹介し、成約すれば紹介者は報奨金をもらうことができる。
成約報奨額は分譲の場合、分譲代金の1%(上限は法人3000万円、個人200万円)。リース案件に関しても、リース料金の一か月分となっている。
日本産機新聞 平成27年(2015年)5月25日号
TONEは、本社を同社最大拠点である河内長野工場に統合、移転した。9月26日から業務を開始した。 今回の統合により、開発、製造、営業企画、品質保証、管理の各部門と経営を一体化。部門間のコミュニケーション向上を図り、一層綿 […]
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