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下期好調、8社増収<機械工具商社上場9社の2014年3月期決算>
機械工具上場商社9社の2014年3月期決算が出そろった。ユアサ商事、トラスコ中山、大阪工機が10%以上も売上を伸ばすなど8社が増収を記録した。特に9月以降、消費増税に伴う駆け込み需要やものづくり補助金などの経済施策も奏功し、好調に推移した。通期では、消費増税の反動による需要減や海外の不安要素を懸念する向きもあるが、政府による経済施策の効果などもあることから、8社が増収を見込む。
全社合計の売上高は1兆2557億円と対前年比で8・5%増の増収となった。なかでもユアサ商事、トラスコ中山、大阪工機が10%以上も売上を伸ばした。続いては、フルサト工業、日伝も9%以上の増収を記録した。主要業界であるデジタル家電や半導体業界の設備投資減少から鳥羽洋行は減収となった。
好決算に共通しているのは9月以降の回復で、その背景にあったのが、ものづくり補助金の施行と消費増税による需要増だ。ある工作機械メーカー幹部は「上期の投資が補助金の施行待ちで下期にずれ込み、年末が忙しかった」と振り返る。年度末にかけても「消費増税の駆け込みもありバタバタした」と言う。日本工作機械工業会の内需も11月400億円超、3月370億円を記録するなど、それを裏付ける。
実際に各社とも年度の後半に大きく数字を伸ばしている。山善の第4四半期は過去最高の1085億円を達成。フルサト工業でも第4四半期が対前年同期比で27%増やすなど、全体としては下期の回復がけん引役となる格好で、通期の決算を押し上げた。
一方、15年通期はどうか。予想ではフルサト工業だけが横ばいとするが、他の8社は慎重な数字ながら、増収を見込む。ただ、懸念されているのが、消費増税の反動による需要増や海外の不安要素だ。しかし、4月の動きをみる限りでは減少幅は小さく、急激な減少を心配する声は少ない。実際に日工会の4月内需も348億円と減ってはいるものの、急減はしていない。 卸商社の決算会見の場でも、多くの商社トップが4月の数字について「想定内」や「意外に悪くない」としている。
ある工作機械メーカーの営業責任者は今後の動きについて「4月の数字も悪くなかった。さらに、3月中旬と5月中旬にものづくり補助金の採択結果が発表される。つまり5月末から6月にかけてある程度動くだろう」と、上期については楽観的に見通している。
日本産機新聞 平成26年(2014年)5月25日号
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