2021年9月27日(月)

この人に聞く2015
黒田精工 黒田 浩史社長

精密技術で製造業支える

独自商品でニーズに応える

黒田浩史社長_R

 今年創業90周年を迎える黒田精工は、「精密技術」を軸に発展してきた会社だ。ゲージ、金型、研削盤、ボールねじなど、手掛けてきた製品は多岐に渡る。黒田浩史社長は、「一つの製品にこだわらず、精密に加工できる技術で何ができるかを考えてきた。今後もそれは変わらない」と100年企業に向けて世界の製造業を支え続けていく考えだ。

 現在、金型・プレス部品、研削盤・測定装置・要素機器、ボールねじ・関連ユニットの3つの事業に分かれる同社は、1925年にゲージ専業メーカーとして創業。精密な加工が求められるゲージ製造のなかで「精密技術」を磨いてきた。戦後、それを活かし、金型製造に着手。当初は分野を問わなかったが、電化製品の登場とともにモーターコア金型に特化。今ではハイブリッド自動車や携帯電話など世界のモーター市場で数多く採用されている。
 一方で、精密な金型を作るには、高性能な研削盤が必要だった。しかし、当時は高価な外国製しかなかったため、自分たちで作り、さらには外販も始めた。70年代に入ってからは「工作機械向け要素部品が今後、大きなマーケットになる」と読み、ゲージのノウハウを活かしてツーリングやボールねじ事業を展開。その後、90年代にゲージの延長で、ウェーハの表面形状を測る精密測定装置も開発した。

 これらの幅広い製品群を抱える同社だが、ここ数年で構造改革に乗り出した。テーマは「差別化」と「海外展開」だ。昨年、汎用ツーリング事業を台湾企業に譲渡し、独自の油圧式チャック「ハイドロリックツール」に特化。生産拠点を富津工場(千葉県富津市)に移し、増産体制を整えるなど特長ある製品で「差別化」を図っている。
 「海外展開」では、2012年にドイツの精密部品メーカーを買収し、新ブランド「KURODA JENATEC」を立ち上げた。もともと中・小径ボールねじを得意としていたが、大径も販売可能となり、多彩なラインナップを世界で供給できる体制を整え、販売ネットワークを拡大した。

 そうした取り組みの根底には、常に「時代に合ったものは何か。そして自分たちには何ができるか」を考え、挑戦し続けた創業からの意思がある。100年企業に向けて「長年培ってきた『精密技術』を通じて、これからも世界のものづくりの高度化を支え続けていく」。


経歴
1958年生まれ、81年新日本製鐵入社、2002年日本GEマルケットメディカルシステム代表取締役社長、05年黒田精工非常勤取締役、06年同取締役社長室長、07年同代表取締役専務、09年同社長就任。


日本産機新聞 平成27年(2015年)4月15日号

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