2018年10月20日(土)

【特集】ー事業承継ーについて販売店へアンケート
どのような悩みや覚悟、目標があるのか?

改革・新事業に挑む

社内交流、知識、組織に悩み

 事業を受け継ぐ側にはどのような悩みや覚悟、目標があるのか―。本紙は機械工具販売店に事業承継に関するアンケート調査を実施した。事業を受け継いだばかり経営者は、社員とのコミュニケーション不足や、財務など経営面での知識不足、組織面で不備で悩んでいることが分かった。一方で、これらの悩みに対し、粘り強く自らの意思を伝えたり、積極的に学んだりして乗り越えようとしている。メーカー部門の強化など新事業に挑戦したいという積極的な経営者も多い。

社長就任して苦労したことは?
・経営の勉強をしてこなかった
・20年以上勤続した社員が多く、若手の底上げが進まない
・一代で築き上げてきたためカリスマ性は高いが、社内の規律が緩い
・経理・税務に弱った
・改革を進めるのに反対する人が多かった。
・仕入先、金融機関への信用
・社員とのコミュニケーション
・給与、賞与の評価基準がないので苦労した。
・就任当初は社員からの信頼がまったく得られなかったこと
・会社の売り上げが激減。退職が多く、本当にどう進んで良いか分からなかった
・他業種出身なのでそもそも本業の個別の相談にのってあげられなかったこと

苦労した課題をどのようにして解決したか
・異業種経営者団体で勉強
・待遇面を改善し、会社の方向性を理解して貰い士気を上げている
・社是・経営理念・企業理念を定め、社員の意識統一を図っている。
・反対をされてもやり抜くしかない
・朝礼、ミーティングなどで思いを伝える。いつでも声掛けを意識。
・評価制度と給与、賞与の体系、関連付けについて現在検討中。
・社是、理念を考え「動機善なりや」の信念で必要と思うことは1人でも進めた
・業界、歴史、当社の強み、弱み、今後どう行くべきかを体系的にまとめ、社員に仕事の意味を伝えた。
・社長権限で強引に変えた部分と根気よく説明

誰から継いだかを聞いたところ「父親」か「親族」の回答のみで、業界では身内への承継が主流のようだ。就任後に困ったことについて聞いたところ、最も多かったのがコミュニケーションなど人間関係の悩み。「年配社員との確執」、「社員からの信頼が得られなかった」などの回答があった。 

 続いて多かったのが経営に関する知識不足。「経理を学んでいなかったので苦労している」。また「給与など評価基準がなく困った」、「若手の底上げが進んでいなかった」など組織や体制についての悩みを吐露する意見もあった。

 どのように乗り越えたかを聞いたところ、自らの努力で対応するなどたくましい。コミュニケーション不足は「対話を続ける」や「経営理念で意思の統一を図った」、「必要なことは一人でも進めた」など粘り強く対応している。

 知識不足は「とにかく勉強」や「勉強会などに出席した」など、学ぶことで知識不足を補っている。組織面の課題は「待遇の改善を図った」や「評価基準を策定中」など進行形で対応をしている企業もある。

 社長に就任して変わったことについて聞いたところ、目立ったのは意識の変化だ。「自利利他の考え方を取り入れるようになった」、「やるんだという気持ちが増した」といった経営者の自覚が芽生えている。外部からの目線も変わったようで、「若い社員が期待の目で見てくれるようになった」というコメントもあった。

 直接的な変化としては「取扱商品やユーザーが増えた」、「外国人、しょうがい者、契約社員など多様な人材がコミュニケーションをとり、活躍してくれている」など改革の効果も出始めている。

 今後やりたいと思っていることについて聞いたところ、「人事評価制度の導入」、「社内風土の改革」、「フリースペース、ラボの設置」などソフトハード両面で改革を進めている。

 新規事業への意欲も旺盛で、「工事関連の仕事を増やす」、「メーカー部門など新規事業の立ち上げ」という意見も。「M&Aによる事業継承・発展・人材確保」や、「役員、管理者、若手社員、外国人などあらゆる社員の一段の成長」と人材教育を強化する声も少なくない。

日本産機新聞 平成30年(2018年)8月5日号

[ アンケート ][ 日本産機新聞 ][ 業界分析 ][ 特集 ] カテゴリの関連記事

トラスコ中山 最大の物流拠点<br>50万アイテムの「工具箱」

トラスコ中山 最大の物流拠点
50万アイテムの「工具箱」

プラネット埼玉本格稼働  トラスコ中山は10月1日、同社最大の物流拠点となる「プラネット埼玉」(埼玉県幸手市)を本格稼働させた。在庫を50万アイテム収容できるなど、日本最大の「工具箱」と位置づけ、さらなる物流機能の強化を […]

圧縮機、IoT化加速 稼働状況など監視

圧縮機、IoT化加速 稼働状況など監視

予防保全や復旧迅速に  IoT技術を活用したコンプレッサのサービスが本格化してきた。日立産機システムや、北越工業、コベルコ・コンプレッサらが相次いで、コンプレッサに通信機能を搭載し、遠隔で稼働状況などをリアルタイムで把握 […]

ニュース

日工会
18年工作機械受注額 1.85兆円に上方修正

 日本工作機械工業会(飯村幸生会長)は、2018年の工作機械受注額見通しを前年比12・4%増の1兆8500億円に上方修正した。達成すれば、1兆6455億円だった昨年に続き、2年連続で過去最高を記録する。内外需ともに投資意 […]

トピックス

関連サイト