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日進・尾野 功騎社長「難削材といえば日進」を広めたい【この人に聞く2026】
切削工具メーカーの日進(堺市堺区、072・221・8081)は、難削材に特化した製品開発に取り組んでいる。「NISSIN FALCON ENDMILL」を武器にニッチな分野を切り拓く同社の尾野功騎社長に、自社の強みや描く未来を聞いた。

–貴社について。
難削材に特化した工具に強みを持つ。中でもステンレス、チタン、耐熱合金など、HRC50以下で刃先に熱がこもりやすい領域の加工が得意だ。難削材の加工条件をどれだけ高められるかを、昔からの使命としてきた。
–ファルコンエンドミルを主力製品にしています。
5年前からファルコンエンドミルシリーズが伸び始め、現在は毎年1・5倍ペースで売り上げが成長している。以前と比べても認知度は明らかに上がってきた。「難削材でも加工条件を上げられる」という点を評価いただいている。
今も航空・宇宙産業などで難削材加工に苦戦しているエンドユーザーに対して、「日進の製品を使えば、こんなに簡単に加工できる」というブランディングに力を入れている。
–30番加工機でも耐熱合金を加工できることを訴求されています。
耐熱合金を加工するには40番、50番クラスの加工機が必要だという思い込みがあるが、ファルコンエンドミルなら30番加工機でも、工夫次第で十分に加工できる。
設備単価を考えても、30番加工機で耐熱合金を加工できれば、利益率が上がり、中小規模の町工場でも、これまで手掛けてこなかった付加価値の高い仕事に参入しやすくなる。
同じ仕事が何年も続くことを前提にしている加工メーカーは、これからどんどん苦しくなるだろう。良い仕事を取るためにも加工条件を高めて、工作機械も5年程度で置き換えていくくらいのスピード感が必要だ。これからの時代、ステンレスをゆっくり削っている場合ではない。
–メーカーから商社に伝えたいことは。
商社からよくいただく言葉に、「新規開拓でうちの工具を持っていくとなぜか売れる」「なぜか顧客に刺さる」というものがある。
理由は難削材に特化した商材なので分かりやすく、ターゲットを絞りやすいからだ。新規開拓で飛び込み営業をする際の弾にしやすいと言っていただいている。
弊社はすでに商流が決まっていると思われがちだが全くそんなことはなく、まだ足元が固まっていない状態だ。守りではなく、攻める商社の方が今後伸びると思うし、我々としてもそうした商社に売りこんでほしい。
–他の拡販戦略は。
「難削材といえば日進」のイメージをもっと浸透させていきたい。そのためにも地道な営業活動が必要。弊社では私を含めて3人の営業がそれぞれ年間1000件ほど訪問している。加工条件の引き上げ以外にも隠れたニーズはあるはずなので、今後もお客さんの声を聞いていく。
経営者だからといって、社長室でふんぞり返っているのは違うだろう。これから日進が大きな会社になっても私自身、現場を回り続ける経営者でありたいと思う。
おの・こうき
1991年、大阪府大阪狭山市出身。2016年に同志社大学理工学部を卒業後、ガス関連会社を経て18年に日進入社。22年から現職。趣味は経営の勉強と切削工具の研究。自身のバイブルに「日進工具のニッチトップ戦略」(後藤勇著・日刊工業新聞社)を挙げる。
日本産機新聞2026年10月5日号
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