2026年2月11日(水)

カブト工業「先端取替式のパイオニア」【特集:〜自動車産業〜提案したい技術はこれだ!】

「先端取替式回転センター」

超硬の代替提案を強化

「当社の回転センターの先端は、簡単に抜けると同時に、抜けにくいという特色を持つ」と語るのは片原勇社長。1964年に誕生した『先端取替式回転センター』は半世紀以上の歴史を持ち、二輪や四輪などの部品加工で広く採用されている。開発のきっかけは円筒研削盤で部品加工を手掛けていた当時、両センター(固定式)で加工すると摩耗が激しいためセンターの交換頻度が多く、段取りや位置決めの手間を省きたいと考えた。

誕生したのが現在の主力製品『先端取替式(センターヘッド取替式)』だ。回転センターの本体はそのままに、先端部分だけ簡単に取替可能で交換時間を大幅に削減。「交換時間は最短で5秒」(片原社長)と話す。

簡単に取替可能というのは精度が出ないのではと思われがちだが、「特許が切れて30年以上経つ現在も取替式は当社のみ製造している」(片原社長)。それを実現させているのが『カブトテーパー』と呼ばれる独自のテーパー角。当時から現在まで変わらぬ門外不出のノウハウで「抜けやすい」「抜けにくい」という相反することを絶妙のバランスで確立した。品質管理にもこだわり、常時2~3名で検査し、振れ精度や真円度は全数検査を行う徹底ぶり。材質・硬度・面粗さも1~2μm精度という高精度を実現。センターヘッドのラインアップはM.T.2・3・4用は26種、M.T.5は24種あり、全種類在庫を揃えている。

昨今は自動化と共に、変種変量生産のニーズも高まり、異なるワークを交換する頻度が高まると先端取替式回転センターの特色を活かせる。「これは当社にとって追い風」とし、センター本体1本にワークに応じてヘッドの交換で工程集約や多種多様なワークに対応。

先端取替式は二輪や四輪などの部品加工で活用され、変種変量生産にも対応する 

また、中国の「超硬材料関連品目」の輸出規制に伴い超硬製品の価格高騰など不安要素が表面化。センターヘッドも超硬付きがあり、影響が懸念されている。そこで、超硬の代替提案として焼入鋼に各種コーティングを施した特殊対応品を強化。高精度かつ安定供給が可能で、片原社長は「超硬に比べ軽量で割れにくく、内部破壊の懸念も少ない。需要が高まれば標準化も視野に入れる」とし、今後はコーティングに関する研究開発にも注力する。

日本産機新聞2026年2月5日号

[ メーカー ][ 工作用機器 ][ 日本産機新聞 ][ 特集 ] カテゴリの関連記事

エヌティーツール「脱着からプリセットまでを完全自動化」【特集:〜自動車産業〜提案したい技術はこれだ!】

ここ数年、国内の自動車産業は電気自動車(EV)の需要鈍化やトランプ米政権の関税政策で次の一手が見えづらく、難しい局面が続く。2026年はHV関連を中心に少しずつ回復する予測もあり、自動車産業の設備投資が期待される。ただ、 […]

オーエスジー「小径深穴を安定連続加工」【特集:〜自動車産業〜提案したい技術はこれだ!】

小径超硬ドリル「AD-MICRO」 オーエスジーは、小径深穴の長時間連続加工を実現する外部給油タイプの小径超硬ドリル「AD‐MICRO」を昨年7月に発売し、注目を集めている。 製品開発したデザインセンター・内田聖也氏は「 […]

サンドビック・コロマント「ギアミリングに新提案」【特集:〜自動車産業〜提案したい技術はこれだ!】

ミリングカッター「CoroMill 172.2」 形状に応じてカスタマイズも可能 自動車部品では従来、専用機で加工しているものも多く、特定のワークを効率良く大量生産するために活用されてきたが、昨今、多品種少量生産のニーズ […]

トピックス

関連サイト