2026年10月7日(水)

貴重な意思疎通の機会【現場考】

組織運営の推進力に 部下の葛藤や不満を聞く

営業の同期が成績を伸ばし焦りを感じる。納期に遅れて叱責されたユーザーに訪問するのが怖い。先輩が面倒で成果の少ないと思われる業務を押し付けてくる。仕事をしていると必ず不満や不安、葛藤、苛立ちを感じることがある。そうした部下の相談相手になるのは管理職の役目だ。

しかし工具販売店のある女性管理職(営業業務課)は、営業の男性管理職の多くが部下の相談を充分に受ける姿勢に乏しいと感じるという。むしろ部下の不満や葛藤を受け入れず、それとは正反対の意見で真っ向から対抗することもときに見受けるという。

上司にとって部下はライバルのひとりなんだろう。部下の相談を受け入れない上司の気持ちを女性の目から見てそう思うという。部下の成長を喜ぶよりも優先すべきは自分の能力アップ。競争で勝ち残ることが人事考課に影響する営業で男性の上司がそうなるのは仕方ないとも思う。

若い頃はそうだったが出産を機に考えが変わった。職場復帰してもテキパキ仕事をこなせない。子どもの体調が悪くて欠勤も多くなった。足を引っ張る立場になった。しかし同僚や上司は全面的に支えてくれた。自分の活躍ばかりではなく周囲と共存し成長する。そう思うようになった。

課長に就任してからは業務を効率化して減らし1日2時間、部下と話せる時間をつくった。相談に対して的確なアドバイスを出せない時もある。1時間あまり愚痴を聞いているだけの時もある。それでも良い。部下の心の内がわかるし、不満や不安、葛藤を思う存分話して自分の席に戻る部下の顔は少し和らいでいる。

男性の管理職に提案があるという。①部下の相談を聞ける時間をつくる、②部下をライバルと思わず相談に寄り添ってあげる、のはどうか。管理職の役割は組織を成長させ、成果を増やすことだ。その原動力は部下の成長で、働き続けたい職場をつくることだから。

日本産機新聞2025年12月5日号

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