「中古機械や古い機械を大事に使うのがカッコよくないですか」—。あるユーザーの若い技術者の言葉だ。中古機械はコストの優位性に注目されることが多いが、最近ではSDGs(持続可能な開発目標)の観点から「機械を大事に使いたい」と […]
気づき力を高める②【現場考】
精一杯の準備と検証を
前々回(4月20日号)の「現場考」では、能力の一つとして「気づき力」が大切だと述べた。そのために失敗や緊張する経験を積んでもらうことが必要とした。今回は経験をどう活かせば、もっと「気づき力」を高められるのかを考えたい。
講演巧者の知人がいる。そのコツは「200%の準備だ」と言う。「主催者が求めるテーマは」、「聴講者は経営者か、若手か、ベテランか」—。事前情報を基に徹底してシナリオを練り、ロールプレイングを何度もするという。自身が考えうる限りの準備をしたことで自信が付くからだそうだ。
しかし、どれだけ準備しても思い通りに行かないことも多い。最近、自動化の大型システム受注に成功したある販売店。ユーザーも初めて挑む自動化で、失敗は許されない。何度もリスクやスケジュールをシミュレーションした。しかしトラブル続きで、社員総出で対応したこともあるという。結果、赤字案件になってしまったそうだ。
営業責任者は言う。「完璧に準備したつもりだった。どこに問題があったのか。自社か、協業のSIerか。原因を検証している」。
準備する意味がここにある。準備したことで「元々のシナリオ通り行かなかったのはなぜか」と反省や検証ができるからだ。準備がなければ反省も生まれない。先の講演巧者も自らの知識や過去の経験を検証しながら、情報や手法をアップデートしてるという。
準備→経験→検証というサイクルを重ねていけば、自身の強みや弱みも見えてくる。そして「何をすべきなのか」、「何が足りないか」を考えることにもつながる。
先の講演巧者は準備する意味について、自信を付けること以外にもう一つあるという。「準備すると相手の立場に立って真剣に考える。どうすれば役に立つか、楽しんでもらえるか。それらを考えることで、気づき力も高まる」。
日本産機新聞 2025年5月20日号
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