2026年10月16日(金)

「搬送の効率化は成長市場」YUASA 工業マーケット事業本部・高橋史弥部長に聞く【特集:搬送の自動化・効率化】

複合加工機や多様な治工具、ロボット活用など機械加工の自動化は日々進歩している。一方、技術的な難しさなどから工場内搬送(以下搬送)の自動化や効率化は遅れていると指摘されることが多い。だが課題が多い=市場性があるともいえる。そうした点に着目し、搬送の効率化の提案を強化する商社は多い。YUASAもその1社。同社で搬送の自動化提案などを手掛ける工業マーケット事業本部工業マーケット企画部の高橋史弥部長に、「搬送の自動化の市場」や「将来性」、「提案方法」などを聞いた。

高橋 史弥部長

–搬送の自動化や効率化の市場をどうみるか。

機械加工に比べ、搬送の自動化は遅れていた。国内は複雑な構造の工場が多く、現場ごとで課題が異なるうえ、自動化を進めるにも技術的に難しくユーザーが避けてきたためだ。これまでは人で対応してきたが、人材不足が顕在化し、搬送の効率化は避けて通れない社会課題となりつつある。

–その成長性は。

課題の大きさを考えると間違いなく成長市場だ。ある調査によると、足元の無人搬送車(AGV)と自律搬送車(AMR)の市場は350億円程度だが、5年後には1500億円になるという試算がある。また、食品、医療、機械加工全ての工場現場で引き合いが強いのも特徴だと思う。

–そうしたニーズにどう対応するか。

まず、関連製品を拡充している。工場向けでは、AiTEN社の無人フォークリフト(AGF)のほか、AMRではロボットバンク社など複数の製品をそろえた。介護や宿泊施設に適したAMRでRoboPath社などもある。今後はロボットバンク社を始めヒューマノイドや、フィジカルAIを活用した搬送の効率化の提案を強化する。

–自動化の提案はハードだけでは難しい。

その通りだ。その一つとして、工場や倉庫の搬送を自動化するソリューション「LOGICRAFT」を提供している。ユーザーが搬送や出荷など自社の課題を挙げていくと、フローチャート式で解決策を提示できる。また、技術的な支援を強化するために、専門部隊を設け、販売店に同行して提案できるようにした。

–製品のトレンドは。

AMRとAGFの引き合いが強い。AMRはAGVとは異なり、テープ貼付などの手間が不要で、汎用性が高く、多様なニーズに対応しやすい。一方、AGFは高価なため、大手での採用が多い。5年先を見据えたユーザーが先行的に投資している印象がある。

–搬送を提案したい販売店はどういう視点を持てばいいか。

工場をじっくりと眺めるといいと思う。徒歩移動が多い人をずっと観察すると、どんな作業に時間をかけているか分かる。そこには必ず、搬送を効率化できるネタがある。

日本産機新聞2026年10月5日号

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