2026年8月25日(火)

機械工具商社にもAI活用の波 営業支援、人事配置、業務代行など各社が取り組む効率化

機械工具商社が業務の代行にAI(人工知能)を活用する動きが広がっている。請求書を照合したり、人事配置をアドバイスしたり、営業活動を支援したり。労力や時間がかかる業務はAIに助けてもらい、人にしかできない業務に力をかける。業務の生産性や品質向上が課題となるなかAI活用は進みそうだ。

仕事の効率と品質高める アプリの作成もAIで

ユニソルが生成AIで開発した「見積変換アプリ」

トラスコ中山は、数理モデルとAIによるAI人事異動考案システム「適材適所」を構築した。勤続年数や職種経験、資格、通勤時間、希望転勤などの情報から数理モデルによって最適な人事配置の初期案を算出する。

さらに組織のバランスや育成の観点、本人の志向、生活面の配慮など、どのような観点から提案された案であるかをAIを使い確認しながら人事担当者は人事配置を検討する。

これまで人事異動は候補者や組織の状況を総合的に検討する必要があり、多くの時間と経験が必要だった。しかしこの仕組みにより異動案作成に必要な情報を一元的に可視化し客観的なデータに基づき検討できる。

最適な候補案を短時間で作成できるため人事担当者はより本質的な検討に時間を使える。検討不足を防ぎ、新たな気づきにもつながるため、社員と会社の双方の納得感が高まることを期待している。

山善は、トップ営業の勘や経験、度胸(KKD)を学んだAIエージェントが営業に伴走する状態を目指している。営業や顧客がプラットフォーム「DAI」に入力したデータに対しAIエージェントが回答を生成。創造したり対面で判断したり、人が得意な仕事に専念できるようにサポートする。

「DAI計画」として昨年4月から推進している。実装可能な特化型AIエージェントから順次運用し、それらを統合するAIエージェントを3年計画で構築する。属人化していた勘・経験・度胸(KKD)を超える「Beyond KKD」の実現を目指す。

ユニソルは、生成AIを使って社内で用いる業務支援AIアプリを開発している。手間がかかりミスしやすい業務はアプリに代行してもらう。決断したり提案したり人がするべき業務に力を注げる環境をつくる。

アプリは、営業や販促、経理などで効率化したり精度を高めたりしたい業務を生成AIに伝え、作ってもらう。機能について要望をさらに指示して改良を重ね、社内で最も使いやすいように作り込む。

開発を始めたのは昨年9月ごろ。「仕入先の見積もりを変換しユニソルのフォーマットの見積もりを作成する」、「文字データから販促カタログを作成する」、「得意先の入金予定表と請求書を突き合わせる」などのアプリを開発してきた。

開発を担当する平林拓海主任(機械・工具事業本部)は、「業務の自動化と、人の仕事の質向上のためのAI活用は今後進む。遠くない未来に、スケジュール管理や業務の代行、アドバイスをしてくれるAIアシスタントが社員ひとりに付く時代がやってくる」。

日本産機新聞2026年8月20日号

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