2026年8月19日(水)

新社長に聞く YUASA・村山 英明社長「『つなぐ』進化させ、新たな機能を『つくる』」

400年に向け基盤強化

村山 英明社長

「『つなぐ』を進化させ、新たな機能を『つくる』こと。そして次の世代への基盤を強化するのが自らの役割」。そう話すのは6月にYUASAの社長に就任した村山英明氏。

実家は板金メーカーで、自ら汎用ボール盤を操り、大学の専攻は理工学部という根っからの機械畑。しかし入社後は、ユアサヒラノ(現ユアサオクビス)など、大半を建材の直需部門で過ごした。

スカイツリーのプロジェクトに携わったこともある。「工期を絶対守る」というプレッシャーの中、10㎏以上痩せるほど過酷な現場だった。それだけ厳しい現場だったが、完成時は涙を流すほど感動した。そんな修羅場や親方気質の人が多い現場を数多く経験できたことは「プライスレスな体験だった」。

その後、経営計画の策定などを担うトップに近い、総合企画部に在籍。佐藤悦郎元社長や田村博之前社長からは「撤退する勇気」を学んだ。100億円のプロジェクトを撤退した際「さまざまな意見がある中で、やる勇気・やめない勇気、その責任を背負う凄み」を感じたという。

そんな村山社長はYUASAの強みを「長い歴史で築きあげられた取引先ネットワークにある」とみる。「祖父がYUASAにお世話になった、元YUASA出身という方は本当に多い」。こうした歴史による信頼関係が圧倒的な強みで、この業界への参入障壁にすらなっているという。

ただ、この信頼に「胡坐(あくら)をかいていてはダメ」と厳しい。この信頼をベースに、新たな機能を提供し、創業400年に向けた事業基盤を固めるのが自らの役目だという。そのキーワードは「つくる」だ。

「田村前社長が『つなぐ』を掲げ、それは顧客や仕入先にも浸透してきた。それを進化させ、新たな機能をつくりたい」と話す。「つくるには『創る』、『作る』、『造る』など様々な意味がある。いずれの場合でも顧客の課題を解決する商品やサービスを開発していく」。

具体的にはこれからだが、機械関連の部品を交換して、新品に近い再生品として提供するリボーン品ビジネスへの参入を検討している。フィジカルAIでさまざまな課題を解決するサービスなども検討中だ。

機械工具業界を取り巻く環境は厳しく、激変している。「だからこそ、新しいことに挑戦しなければならない。やまずみ会の方々が新たなことに挑戦できる機能をつくっていきたい」。

むらやま・ひであき
1994年青山学院大学理工学部卒、ユアサ商事入社。2006年ユアサヒラノ(現ユアサクオビス)出向、19年ユアサクオビス社長、24年執行役員、26年社長就任。埼玉県出身、56歳。趣味は読書とライブ・音楽鑑賞。

日本産機新聞2026年8月5日号

[ トップインタビュー ][ 商社 ] カテゴリの関連記事

「創業80周年を迎えて」富士コンプレッサー製作所・嶌井 成行社長に聞く

自動車整備中心にブランド化/近場の商売大切に 富士コンプレッサー製作所(奈良県大和郡山市)は創業80周年を迎えた。1946年の創業以来、耐久性とメンテナンス性に優れたレシプロコンプレッサーを中心に、自動車整備工場から一般 […]

暑中号特別企画 機械工具販売店の人材採用・育成戦略

機械工具販売店が人材採用と育成に力を入れている。人材の確保・定着が課題となる中、採用拠点の開設やSNSを活用した情報発信など各社が独自の施策を展開し、将来の成長につなげる。事業の持続的な発展を見据え、人材戦略を進める販売 […]

三共精機「Uターン学生の採用に力」【特集:機械工具販売店の人材採用・育成戦略】

「2027年4月入社は現時点で2名決まった。挑戦する気持ち、自己の成長を目指す若手の採用を強化したい」と話すのは経営戦略室の池ノ上理沙氏。今年4月から東京オフィスに採用拠点を設け、地方の若者が東京へ進学し、再び故郷に戻っ […]

トピックス

関連サイト