2026年11月7日(土)

三井精機工業  那須  要一郎社長 「『三井』ファン増やす」

既存顧客を大事に、持続成長目指す

那須  要一郎社長

「地道に『三井ファン』を増やし続けたい」。そう話すのは、今年6月に三井精機工業の社長に就任した那須要一郎氏。「既存のお客様を大事にしながら、永続できる会社にするのが自らの役目」という。

金融機関出身だが、営業畑が長く、製造業やスタートアップのサポートに携わった。その企業は上場を果たした。「会社を成長させる一翼を担えたのは大きな喜びだった」と話す。「金融はあらゆる業種を幅広く担当できる」ため、俯瞰する能力を鍛えられたという。

そんな那須社長がみる三井精機の特徴は「2つの異なるビジネスを持つこと」。一つは5軸加工機や治具研削盤などの工作機械。もう一つはコンプレッサ。「両者は補完関係にある事業」とみる。「機械は単価が大きい反面、景気に左右されがち。コンプレッサは工場の稼働に欠かせず、お客様の数が多く、比較的景気の波が小さい。ただ、開発期間や営業手法が異なるため、別の会社になりかねない。うまく機能させることが必要」という。

その一つが交流による人材育成だ。「お客様訪問が基本の工作機械と、流通に軸足を置くコンプレッサの営業の融合は難しい面もある。しかし、生産や調達でシナジーを出せるものがないか検討を加えていかなければならないと考えている」。そうした一環で、昨年お互いの部署の取り組みを発表する社内説明会も開いた。

開発についてはマーケットインの志向を強化していくという。「当社の機械は30年以上お使い頂くお客様も多い。こうした既存のお客様に『三井さんこんな機械作ってよ』と言われる機械を作り続ける」。コンプレッサも同様だ。「省エネ、環境をキーワードにエアに関する課題をお客様と一緒に解決したい」と話す。

サービスの強化も重要とみる。「『1台目は製品力、2台目はサービスで売る』とは川上博之会長の弁だが、サービスの強化は踏襲していきたい」。コンプレッサでも「弊社指定のサービス工場は100社以上ある。声をかけてもらえればすぐに飛んでいける体制は強化したい」と話す。

「サービスに不満があると、次の発注時に声をかけてもらえない。製品力とサービスで、既存のお客様を中心にファンを増やし、事業を永続できる体制を作っていく」。

なす・よういちろう
1986年慶応義塾大学経済学部卒、三井銀行(現三井住友銀行)入行、2018年三井精機工業入社、20年常務取締役、23年専務取締役、24年取締役副社長、63歳、埼玉県出身。趣味は登山。毎夏に奥様と日本アルプスに登るのが恒例行事だという。

日本産機新聞2025年11月5日号

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