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積極投資で生産能力増強 【特集:投資する半導体製造装置部品メーカー】
日本半導体製造装置協会(SEAJ)によると、日本製半導体製造装置の市場は2024年度に初めて4兆円を超え、26年度には5兆円に到達する見通しだという。製造装置メーカー各社は技術開発や生産能力の増強に向けた投資を増やし、拡大する需要に対応する。こうした動きに追従するのが、製造装置の部品を手掛ける加工メーカーだ。各社、大規模な設備投資を行い、新工場の建設や、最新鋭設備の導入などを進めている。成長市場に挑む部品加工メーカーを特集する。

今年1月にSEAJによって発表された2024年度の日本製半導体製造装置の販売額見通しは、前年比20%増の4兆4371億円と初めて4兆円を超えた。中国市場やAI関連を中心に投資が回復したという。今後も持続的な成長が見込まれ、26年度には5兆1249億円になると予測されている。
こうした市場拡大に伴い、製造装置メーカー各社は技術開発や生産能力の増強に向けた投資を増やしている。国内最大手の東京エレクトロンは昨年度の設備投資額が1621億円に対し、今年度は2400億円を見込んでいる。4月に宮城で竣工したエッチング装置の新開発棟の他、熊本や岩手にも新拠点を設立する。また、27年に宮城で竣工予定の生産新棟も今年夏ごろから着工する。
ディスコも24年度の設備投資が過去最大となり、25年度は約330億円を見込む。広島に製造装置に装着する消耗品の新工場を建設し、生産能力の拡大を図る。また、キヤノンは宇都宮に2500億円を投じ半導体露光装置の新工場棟を建設。7月に竣工を予定している。
製造装置メーカーが相次いで投資を実施する中、その動きに追従するのが、装置メーカーに部品を供給する加工メーカーだ。山梨の渡辺精機は昨年1月に約20億円を投じ、宮城に新工場を設立した。マシニングセンタやNC旋盤などを導入し、生産能力を従来から1・3倍に引き上げた。顧客の要求に対応するためには投資が必要だったという。今後も投資を行い、設備を増強していく考えだ。
熊本の池松機工は5軸加工機と自動化の導入を進め、生産効率を向上させている。設備投資だけでなく、技術開発にも力を入れ、より難度の高い部品の製造を可能にしている。付加価値を高め、営業利益率を2倍に増やしたという。26年には新棟建設を予定しており、さらなる生産性と品質の向上を目指している。
半導体製造装置は中長期的な成長が期待されている産業分野の一つ。一方で、増大する需要に対応するためには、相応の生産力や技術力を保有するサプライヤーの存在が欠かせない。部品加工メーカーの投資が半導体製造装置市場のさらなる成長のカギを握る。
日本産機新聞 2025年6月5日号
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