2026年11月5日(木)

三叉路…

○…部品加工や金型メーカーの経営者に最近よく尋ねられることがある。「当社の技術を生かせる仕事をご存知でしたら教えて下さい」。足元の仕事の斡旋のお願いではない。いま持ち得る技術を応用して新たな事業へと発展できないだろうか。その相談だ。

○…業績は悪くない。バブル崩壊、リーマン・ショック、コロナ禍。幾度の困難も持ち前の技術力とチャレンジ精神で乗り越えてきた。ヒトモノカネの三拍子が揃い、自動化やDXなど時代の波にもうまく乗る。むしろ業績は上がり調子だ。

○…なぜ不安を抱くのか。それは技術革新のスピードの速さと受注環境の変化が背景にありそうだ。先んじて開発した技術がわずか数年で色褪せる。EV化などで既存の仕事がいつまで続くか分からない。先行きの不透明な中での次の策が「いまの技術を生かせる新たな仕事」なのだ。

○…そうした経営者の多くは30代や40代。設備投資への眼差しは極めて熱い。しかしそれは新たな仕事を実現できるからだけではなない。先人の努力、社員とその家族の未来。それらを背負って打つ次の手。そしてそのための投資。切実で真剣な思いが熱さの理由ではないだろうか。

日本産機新聞 2022年10月20日

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