2026年11月6日(金)

【特集】メーカー各社に聞く「良い工具」−ダイジェット工業−

ユーザーが求める工具 −5軸加工やAM用も−

ダイジェット工業 営業企画室 室長 有吉 倉則氏

現在の開発のテーマは。

 例えば「加工の高能率化」や「加工コストの低減」。そうした加工現場の要望に応える工具を開発し、ものづくりの競争力向上に貢献したい。

具体的には。

 例えば昨年発売した刃先交換式カッタ「マルチエクストリーム」がその一つ。同一のインサートを2種類の本体に取り替えることで、「高送り加工」にも「肩削り加工」にも使える。そのインサートは6コーナーを使用でき、工具費を抑えながらも高能率加工ができる。本体は高送り用と肩削り用を識別しやすいように、外周にスリット溝を入れるなど工夫した。まさに加工の現場のニーズをヒントにして商品化した。

貴社の考える「いい工具」とは。

 それはやはり、ユーザーが求める工具。ニーズを想定してプロダクトアウトでつくるのではなく、加工現場の現実の課題をキャッチアップし、それを解決する。それが良い工具だと思う。

いい工具を創るには。

 弛まぬ市場調査や研究、開発がその根幹を成すが、それだけでは足りない。最近必要と感じているのが、その工具の特長やスペックをユーザーに的確に伝えること。例えば高硬度材加工用の工具をユーザーが選ぶとき、どういったことを指標としているのか。加工条件か寸法かそれとも材質か。ユーザーの視点でそれをカタログに表現したり、セールスの際に伝えたりすることが必要。

しかしコロナ禍で自由にそれができないことも。

 なので今後はウェブの活用が重要になると感じている。SNSやユーチューブで情報を発信し、逆にニーズを調査し商品開発に活かしていきたい。

今後の開発の方向性は。

 主力の金型部品向けや航空機部品向けのラインアップを充実させながらも、5軸加工用やAM加工用など新分野にも広げたい。どんな工具が求められるのか。現場を熟知する機械工具商社や販売店の皆様と力を合わせ、取り組みたい。

マルチエクストリーム「EXM/MEX形」

 同一インサートで2つの用途に使える刃先交換式カッタ。本体「HFタイプ」に取り付ければ軸方向切込み量最大2㎜の高能率高送り加工が、「SMタイプ」では平面・側面の肩削り加工ができる。インサートは両面6コーナーを使用できる。

日本産機新聞 2021年2月20日

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