2026年7月19日(日)

「倍返し」半沢直樹 –社長就任の所信表明を考える–

社員の強みは現場情報

 前回の仕事考で「社員は現場を知る強みをフルに発揮して、現場情報の提供と『自分はこう考える』と意思表示」しなければならないと書いた。

 「倍返し」の半沢直樹がヒットしているのもそこにある。とはいえ、多くの社員は、意思表示ができる時でさえ上司や周囲の意見に合わせることが多い。自信がないのか、何も考えていないのか…。「私の立場では何とも言えません」という人もいる。だが、まずは言うべきことを言うようにしなければ個人も会社も成長しない。上司も、社員の成長度合いが量れない。

 一方で、意見を聞かれているのに、情報提供だけで終わってしまう人も多い。1歩踏み込んで自分の考え・意見を言うことが大切だ。意見を言うだけの情報を持ち合わせていなかったら、直感でもいいから意思表示してほしい。仮に上司の意見と異なったとしても、上司に楯突いているわけではなく、怒る上司はいない。最初に書いたように、現場を最もよく知っているのは社員であり、変化を一番に感じることができる立場にいる。そんな人の意見は大切な判断材料であり、意見を言ってくれる社員はありがたい。

 言い方を変えると、「現場では、今こんなことが起きています。私はこうすべきだと考えます」と言えて、上司を自分の思い通りに動かすことができれば快感だ。仕事の面白さのひとつだ。

 上司は、社員よりも長いスパンで会社・事業を考えている。見ている景色も事業全般などにわたるため広く深い。反面、顧客や競合他社などの生の情報は少なくなる。それを補完するのが現場
を知っている社員なのだ。

 社員の意見を聞いた上司は、自己否定されていると受け取って、現実を遠ざけるようにその意見を簡単に否定したりしてはいけない。社員も、意思表示をする時に気を付けてほしいのは、合理的・客観的に分析するということ。自分たちの将来のあるべき姿を描いてみるのもいい。中期経営計画のビジョンがあれば、そのために今何をすべきかを逆算的に考えるのも一つの方法。

 自分が社長ならどのような視点から見て、どのように発言するか、どう判断し、どんな戦略を考えるかを想像してみる。自分が社長に就任したらと仮定して、所信表明演説で何を言うかを考えてみてはどうだろうか。意思表示の内容が上質になるだろう。将来、それが実現するかも。

日本産機新聞 2020年8月20日

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