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SIer団体が発足 ロボの活用を促進
ロボットや自動化のシステムを構築するシステムインテグレータ(SIer)の団体「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」が7月13日、正式に発足した。会長には静岡県の三明機工の久保田和雄社長が就き、SIer会員123社、電機メーカーなど協力会員21社の計144社でスタートした。協会内に設置する分科会活動を通じ、全国的なネットワークの構築やSIerの経営基盤の強化、専門性の高度化などを図り、ロボットの利活用や市場拡大につなげる。
機械工具商社も参加
日本ロボット工業会(橋本康彦会長・川崎重工業常務執行役員)によると、2018年の受注額は前年比16.4%増の1兆1000億円を見込むなど、右肩上がりでの成長が続いている。一方で、システムを構築するSIerの不足がロボット拡大の課題ともいわれてきた。政府はSI人材を20年に16年に比べ、約2倍となる3万人に増やす目標を掲げており、18年には2万6000人まで増加している。
こうした状況を受け、日本ロボット工業会などが昨年11月からSIerを中心とした団体設立に向け、準備を進めていた。
設立した「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」は日本ロボット工業会の内部に置くが、予算の独立性と一定の裁量を確保した。会長には三明機工(静岡市清水区)の久保田和雄社長が就任し、副会長にはバイナス(愛知県稲沢市)の渡辺亙社長が就いた。
会員企業はSIer会員123社、電機メーカーなどの協力会員21社の144社でスタートするが「年内に200社を超えるのではないか」(久保田会長)というほどで、継続して参加企業を募っている。機械工具業界からも、SIer会員として山善やダイドーなどが参加。協力会員はSI事業に協力する企業で構成するため、機械工具業界からも参画できる。
協会の中心となるのが、分科会活動だ。企画・運営、広報、経営基盤強化、地域連携、技術調査・標準化、人事育成、IoT・AIなど7つの分科会を設置。これらの分科会の活動を通じ、SIerを中心としたFA・ロボット業界のネットワークの構築、SIerの事業基盤の強化、システムインテグレーションに対する専門性の高度化につなげる。また、今年度中に中長期ビジョンも策定する予定で、業界団体としての方向性を示す。
久保田会長は「少子高齢化が進む中、自動化やロボットの活用は喫緊の課題。こうした課題を解決し、ものづくりの競争力を維持するには、SIerが一致団結することが必要だ。競争はするが、協調できるところは協調し、ものづくりに加え、食品やサービスなどにも広げ、日本のロボット産業を盛り上げたい」としている。
日本産機新聞 平成30年(2018年)7月20日号
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