2023年2月2日(木)

【Innovation!】商社のPB商品

商社のPB商品は、自社の取り扱い製品への知見やユーザーニーズに触れてきた経験、メーカーとの繋がりを生かし、様々な工夫を凝らしながら進化してきた。従来からの課題であった生産性向上や製品の品質に加え、さらに環境問題や人手不足といった課題もますます加速している現在、それらの多様化するニーズに対応すべく様々な分野のPB商品が新たに登場し続けている。そこで今回のInnovation!では「商社のPB商品」を紹介する。

工夫を凝らした独自のブランド

PART1:エバオン「焼き嵌め同等の締結力」
PART2:クロダ「精度よく歩留まり向上」
PART3:Cominix「多様なラインアップ」
PART4:サンコーインダストリ—「製品の小型、軽量化に貢献」
PART5:ジーネット「生産性向上&コスト削減」
PART6:トミタ産業「専用アプリに操作機能を集約」
PART7:トラスコ中山「使いやすく、環境にも優しい」
PART8:NaITO「コスト、品質、性能に優れる」
PART9:ヒシヒラ「2通りの光源で作業しやすく」
PART10:丸一切削工具「油圧マニホールドを簡単加工」
PART11:山善「簡単操作で経費削減」
PART12:ユアサ商事「加工液の最適化で工具寿命長く」

PART1

エバオン「焼き嵌め同等の締結力」

EVNブッシングシステム

EVNブッシングシステムは、テーパ嵌め合いの利点と効果を最大限に活かした構造を採用している。

機能面では、焼き嵌めと同等の締結力に加え、キー締結でみられる繰り返し応力によるフレッティング現象などの問題を解決した。

取り扱い面では、容易に着脱できることにより、その交換作業時間と生産設備のダウンタイムを大幅に短縮。組み付けや取り替え作業で軸を傷めるリスクも低減する。

エバオンは、長年にわたる軸受の販売で培ったノウハウと経験や貿易商社としての視野の広さを生かし、品質や性能の高い製品を自社ブランド商品「EVN」として展開。優れたコストパフォーマンスで提案している。

EVNブッシングシステムはEVNブランドの主力商品の一つ。多様なサイズのブッシングとプーリの在庫を豊富に取り揃える。またユーザーニーズに合わせてカスタマイズにも柔軟に対応し市場の幅広い需要に応えている。一方、直結伝動の需要にもたわみ軸継手などカップリングを品揃えすることで対応している。

PART2

クロダ「精度よく歩留まり向上」

ウレタンバイト

メンテナンス部品として広く使われる、ゴムやウレタン、シリコンゴムなど弾性体のワークを、切り粉を出さずに突切り加工できる旋盤用工具。

同社の本社がある東京都葛飾区や城東地区にはゴム加工メーカーが少なくない。元々、そうした顧客から「もっと手軽に誰でも弾性体を加工できないか」というニーズが多かったという。こうした要求に応えるため、それまで職人たちが手作りしていた工具を規格化した。黒田悦朗社長は「鋼用のバイトを使う人もいると思うが、面が粗くなり、歩留まりも良くない」という。

その点、ウレタンバイトは、大幅な設備投資も不要で、旋盤さえあれば誰でも手軽に加工ができ、面精度も良い。従来工具の5倍で加工でき、加工効率向上につながる。 

また、切り粉を出さないので、歩留まりもよく、環境への負担も抑制できる。弾性体の加工だけを外注に出す必要がなく、内製化につながるメリットもある。

シリーズとしては、ロウ付けタイプ2種のほか刃先交換タイプをラインアップしている。

PART3

Cominix「多様なラインアップ」

NEW CENTURY

「NEW CENTU RY」は、超硬とHSSを用途や刃径によって使い分け、不等分割や不等リードなど防振の刃形状を採用した、Cominixのオリジナルエンドミルシリーズ。

現在、φ1㎜やR0.3㎜の小径サイズ、また汎用タイプをはじめ自動盤用、ラジアス、逆段仕様など多様な加工用途に対応する27アイテムのラインアップを展開している。

これらの工具は同社のテクニカルセンターで様々な被削材や加工条件によって性能検証を実施。このテスト結果から生産性の高い加工条件をユーザーに提案している。

さらに、これら全てのアイテムを網羅し加工用途別に編集した新カタログも発刊している。

「NEW CENTURY」は生産性向上に貢献する工具提案を事業方針とする同社が、刃の径や長さ、数、形状、母材、被膜などにこだわり商品化した。

今後も性能や価格、加工用途においてユーザーニーズに応えるため、ラインナップを拡大していく。

PART4

サンコーインダストリ—「製品の小型、軽量化に貢献」

薄型頭部形状ねじ「スリムヘッド小ねじ」

JIS規格の一般的な小ねじよりも頭部の高さが低いねじ。電化製品などの小型化、薄型化、軽量化が進む中、頭部の低いねじのニーズが増えてきたことに対応するため、在庫の強化、取扱いサイズも増やしている。

通常のねじの頭部高さよりも約70~60%低いため、様々な部品や電化製品などの小型化、薄型化、軽量化が可能。頭部形状がほぼフラットなので、ねじを締め付けた後の出っ張りが気にならない。また、引っ掛かりにくくなるため、製品の外装への使用や、機械部品内の狭い場所の締付けに最適。加えて、薄板の締結で、皿ねじが使用できない部位にも適している。

さらに、特別な工具は不要で、既存品と同じ工具で締付が可能。(十字穴、六角穴、TRX対応品あり)。通常では、ロットでの製作品となり、納期もかかるが、在庫を豊富に持つため、必要な数量を1本からでもすぐに出荷できる。

材質は鉄、ステンレスで、呼び径はM2~M8まで。長さは2~60㎜まで、表面処理は三価ホワイト、三価ブラック、ニッケル、クロームに対応する。

PART5

ジーネット「生産性向上&コスト削減」

超硬4枚刃スクエアソリッドエンドミル「SUSファイター」

ギガ・セレクション超硬切削工具は、生産性向上とコスト削減の両立を提案する。

「SUSファイター」はSUS304やSUS316といった一般的なステンレスから航空宇宙材料として使用されるAMS規格のワークの加工にも対応しており、鋼加工においてはHRC35から52までの硬めの材料に威力を発揮する。

工具素材は、超微粒子超硬のなかでも極めて平均粒径サイズの小さい超々微粒子超硬を使用しており、従来よりも対摩耗性と靱性の両方が3割向上。耐熱温度が1200℃あるTiSi系コーティングを施しており、耐熱合金や高硬度の加工に対応している。

また、不等分割、不等リードで、加えて芯厚の割合がシャンク部に向かってテーパ状に徐々に大きくなっているので、エンドミル自体の剛性が高まり、加工中の振動を抑え、仕上げ面の向上を図っている。

価格面でも非常にリーズナブルな価格設定となっており、小ロットでの加工で刃具費をできるだけ抑えたいという要望にも応えている。

PART6

トミタ産業「専用アプリに操作機能を集約」

検査用内視鏡 WiFiカメラ「DHWC125」

自動車整備工場のエンジンルームのメンテナンスや配管整備、家電点検、建物構造検査、下水道・排水路検査など手の入らない狭い箇所や奥まった現場で活用できるのが検査内視鏡WiFiカメラの「DHWC125」だ。操作性も良く、様々な現場で手軽に活用できる。

主な特長は専用アプリをダウンロードし、スマートフォンやタブレット端末に操作機能を集約。WiFi接続でスマートフォンやタブレットで確認し、録画・再生・静止画の撮影や保存ができる。

さらに、5.5㎜の極細レンズ(先端カメラ)と先端高輝度LEDライトを搭載し、視認性が高く、アプリ内で調光も可能だ。

また、2600mAhの大容量バッテリーで連続6時間使用でき、バッテリー残量は数値で確認するインジケーター付き。防塵防水仕様で水中撮影に対応。収納ケース付き。

主な仕様は、対応OS:Android・iOS、解像度:200万画素、水平視野角:70度、焦点距離:5~500㎝、動作温度:0~70℃、ケーブル:防水硬性ケーブル5m、防塵防水仕様:IP67(レンズ・ケーブル)。

PART7

トラスコ中山「使いやすく、環境にも優しい」

脱着式プラチェーン

約1mごとに赤色の脱着式チェーンジョイントが付いたプラチェーン。

通常、プラチェーンは50mや30mなどの長尺の巻物として販売されている。しかし、実際に使用する際は、チェーンスタンドにかけるため、1mくらいにカットして使うことが多いという。

こうした使用状況に配慮し、1mごとに色違いの赤いジョイントリングを設け、測らなくても、必要な長さが一目でわかるようにした。短くなったチェーンをつなぎ直すのは別売りパーツが必要だったが、脱着式ジョイントで簡単に連結できる。

必要な長さで分割して使用したり、収納時は再度連結させることで場所をとらないほか、散乱や紛失を防ぐことができる。

また、黄と赤は危険予防の合図になり設置するチェーンスタンドの位置の目安に役立つ。さらに、チェーンのカットの手間をなくせるほか、廃棄物削減にもつながり、環境負荷低減にも貢献する。

これらの特長が評価され、22年度グッドデザイン賞も受賞した。製品は6㎜×50mのプラチェーンに対し、ジョイントは赤以外に黒、白、黄色をそろえた。

PART8

NaITO「コスト、品質、性能に優れる」

超硬エンドミル「Victory」

「Victory(ヴィクトリー)」は、コストパフォーマンスに優れ、品質、性能、品揃えでも優位性の高い超硬エンドミル。他社に追随させないアジア各国の複数メーカーを選択して製造。ナショナルブランドとすみ分け、差別化された商品として提案する。

多彩な商品ラインアップを揃える。不等分割/不等リードエンドミル、不等分割/不等リードラジアスエンドミル、ラフィングエンドミル、アルミ加工用エンドミルなど15シリーズ265アイテムをラインアップしている。

刃先形状はギャッシュランド式を採用。刃先強度を高め、欠損リスクの低減を図り、長寿命化を実現した。鋼加工用は4枚刃、アルミ加工用は3枚刃の商品を揃える。

豊富なラインアップと優れた性能でエンドユーザーにも提案しやすい商品。日本の加工現場の人手不足が深刻化する中、高能率加工による生産性向上を実現する。

総発売元は、切削工具などを扱う輸入商社のミチヒラ(横浜市都筑区)。NaITOは日本の総販売元として販売する。

PART9

ヒシヒラ「2通りの光源で作業しやすく」

LEDセンサーヘッドライト

作業に合わせて、広く対象を照らすテープ式と、ピンポイントで照射できるビーム式の2通りの光源の切り換えができる「LEDセンサーヘッドライト」。明るさはもちろん、薄く、軽くすることで作業性を高めた。

テープ式は、1つの大きな面が光源として発光するため、多重影が発生しづらく、長時間作業をする場合に最適なCOB(チップオンボード)を採用。これにより、薄くできるだけでなく、明るさを確保した。最大350ルーメンの高照度としたほか、120度という広角に照射できる。一方のビーム式は最大で150ルーメンの明るさが得られる。

重さを230gの軽量にしたほか、モーションセンサを採用し、手をかざすだけで、消灯、点灯が可能なので、作業もしやすい。また、USB充電式なので、専用の充電設備が不要で、使いやすい。またIPX4の防滴仕様とした。

充電時間は約4時間。光の強さによって異なるが、テープ式はは3~5時間、ビーム式は4~8時間使える。価格は3,150円(税抜)。

PART10

丸一切削工具「油圧マニホールドを簡単加工」

Oリングシート面カッター

「Oリングシート面カッター」は、油圧機器の作動油配管接続部分のOリングシート面加工用カッター。インサート交換式で高精度の加工ができ、円弧式タイプであれば1本の本体で異なるサイズの加工ができる。

一般的なマシニングセンターで使用でき、ネジ規格はPF1/4〜1、1/2、M8〜M36に対応している。また、UNFにも近日中に対応予定のほか、標準規格に無いサイズであっても相談可能。

油圧機器の作動油配管接続部分はOリングによって密封されるようになっており、その形状はJIS規格によって決まっている。しかし、油圧マニホールドなどのOリングシールポート部の加工は、規格もさまざまで高い精度が要求されるため、専用工具で行われることが多い。専用工具は高価で最研磨も必要で、費用負担が大きいことが課題だったため、その課題解決に向けて開発した。

PART11

山善「簡単操作で経費削減」

ツールベンディングユニット「ANYST(エニスト)」

「ANYST(エニスト)」は、設備用品を自動販売機の感覚でいつでも取り出しできるベンディングユニット。いつ・だれが・なにを・どれだけ取り出したのかをリアルタイムで把握でき、保管と在庫管理が同時にできる。在庫管理が取出しの動作だけで行えるので棚卸レスにもつながる。

中身が見え、適切な在庫設定数を下回るとアラート配信できるので、発注漏れリスクが低減し、常に適正在庫を維持できる。改善点も見える化でき、購買分析により攻めの経費削減が可能になる。

据置き設置で施錠もできるので、安全に保管できる上、取り出しまでの時間/配送時間の短縮を実現。用品管理の省人化ができ、24時間いつでも受け取りが可能なのがありがたい。

エニストは、一般的な自動販売機ユニットを使うので、取出しが街でよくみる自動販売機とほとんど変わらず直観的にすぐに使え、使い勝手のいいユーザーライクな製品となっている。

1商品の最大重量は1.5㎏、レーンの最大総重量は3.0㎏。ベンディングユニット(大・小2タイプ)と決済機で構成され、ユニットを4つまで連結できる。

PART12

ユアサ商事「加工液の最適化で工具寿命長く」

マイクロファインバブル発生・ろ過器「バブパワー2」

水溶性クーラント向けのマイクロファインバブル(MFB)発生器と高性能ろ過器を合わせた装置。MFBが消滅する際に発生する活性酸素の消毒機能により、クーラント液の劣化を抑制する。

クーラント液1㏄中に平均直径100nmのMFBを約1億4000万個発生させる。この泡が加工や洗浄の際、ワークの隙間に入ることで、接触面の抵抗を抑制。また、高性能ろ過機能を組み合わせることで、切削時の切粉を除去し、安定したクーラント液の供給を支援する。これらにより、加工液や洗浄液、工具の長寿命化のほか、加工速度の向上につながる。

バブパワー2に加え、 センシング技術を高度化させることで、工具摩耗や加工品質の見える化も進めている。将来的には、AIによるデータ分析で工具寿命、予知保全、加工品質の最適化までを総合的にコーディネートまでつなげる考えだ。

同社では、一連の取り組みを「加工環境ソリューション」として展開しており、「複合専門商社の『つなぐ』機能を活かし、更なる生産性向上を提案したい」としている。

日本産機新聞 2022年11月20日

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