2026年4月3日(金)

「わからない」と言える勇気 情報を隠さず一緒に乗り切る ー仕事考ー

前例の無い時代

世の中、何が起こるかわからない時だからこそ求められるものがある。

新型コロナウイルスの感染拡大は、全く初めての出来事で、今も仕事も家庭も大きな影響を受けている。未だにその終息がどうなるのかはっきりしない。思い起こせば、バブル崩壊やリーマンショック、阪神淡路大震災、東日本大震災、ロシアのウクライナ侵攻、そして地球温暖化など前例のないことが多発している。

過去に似たような事例があれば、その時の対応を参考にしながら少しカスタマイズして対応すれば、何とか乗り越えられるかも知れない。「賢者は歴史に学ぶ」と言う通りである。

ところが、新型コロナウイルスは、最初はそれがどんなものかさえわからなかった。各国様々の対応は、どの国が正解だったかはまだわからない。全く初めての事で、答えが分からないというのが正直なところ。考えられるあらゆる手を打っても思うように行かない場合もある。

何が起きているのかもわからない状況は、「自分も確かな答えを持っていない」ということを認めれば良い。あたかも「自分は答えを知っている」と思わせるような言動をする方が無責任であり間違った判断につながる。経営者だから、上司だから何でも答えを知っていると考えるのは他人事に過ぎない。それがプライドだと考えれば捨てる勇気が必要だ。情報を隠さず、「実は、私も答えが分からない。皆の知恵を借りたい。どう思うか」と問いかける方が正直であり合理的である。

情報を隠さないと言っても、悪い情報は伝えにくいものだ。しかし、根拠のない楽観主義も、異常に暗い雰囲気を醸し出す必要もない。

「今回のコロナ禍で、当社の業績は、〇〇まで悪化している。我々に何ができるかを考えて欲しい」と語りかけ、皆の団結を図る方が自然体である。新入社員も含め皆の知恵を否定せずに聞き、取捨選択して対策を練る。現場は若手の方がよく知っている。皆が貢献しているという意識にも繋がる。上司も部下も対等な人として、視点の異なる知見や知恵を集めることで打開になる。

だからこそ「わからない」と言える勇気、「自分は不安だし、みんなも不安だろうが、この苦難を一緒に力を合わせて乗り切る」。全員経営者意識をこのチャンスを生かし育成していきたい。

日本産機新聞 2022年10月5日

[ コラム ][ 仕事考 ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

引き継ぎをスムーズにするには【現場考】

「ちょっと図面を見てくれないか」、「もっと削りやすい砥石を知らないか」。顧客から高い信頼を得ている営業が現場に向かうとよくこんな声がかかる。ある販売店ではこうした技術や知見を持つ営業を多く抱えることで、顧客の信頼を得てき […]

岡本工作機械製作所 26年は半導体向けが好調、サービス体制拡張で700億へ

岡本工作機械製作所(群馬県安中市、027・385・5800)は2月20日、さいたま市浦和区のロイヤルパインズホテル浦和で、特約店会「PSG会」の東部支部連絡会を開催した。機械商社や販売店ら約90人が出席した。先行して大阪 […]

キクスズ 岡本 惠社長 創業85周年を迎え 「信頼」軸に全社員一丸で

機械工具商社のキクスズ(大阪市西区、06・6531・3988)は今年3月、創業85周年を迎えた。1941年の創業以来、戦争、高度経済成長、バブル期、リーマンショック、コロナ禍など様々な困難を乗り越え、社是である人とのつな […]

トピックス

関連サイト