2022年6月27日(月)

【Innovation!】今年の戦略商品

技術革新支える新たな機能

今年度も残すところ、あと僅か。メーカー各社は新年度を見据え、新たな戦略商品を続々と発表している。日本のものづくりは今後、EV車開発の加速、5Gや半導体、人手不足を背景としたロボットやIoTなど自動化、社員の安全を守る対策など、幅広い分野で技術革新が加速する。それらを支えるのは高性能や新機能を持つ工具や機器といった商材だ。本特集ではメーカー各社が販売に注力する製品を一堂に集め、その特長や見どころを紹介する。

PART1:イーグル・クランプ「200㎏以下の吊り上げを安全に」
PART2:育良精機「穴あけ加工を効率化」
PART3:浦谷商事「マーキングコスト削減」
PART4:オーエスジー「バリ抑制、立ち壁も」
PART5:オークマ「省エネ・自動化・高精度を実現」
PART6:カネテック「大物ワーク、自動化ニーズに対応」
PART7:象印チェンブロック「ダイレクトな操作感で効率向上」
PART8:大昭和精機「回転中の振れを測定・調整」
PART9:帝国チャック「省段取り・交換工具レスへ」
PART10:日本レヂボン「切断力と耐久性を両立」
PART11:ユキワ精工「生産性向上、コストダウンに貢献」

PART1

イーグル・クランプ「200㎏以下の吊り上げを安全に」

軽量部材適用つりクランプ「Lightシリーズ」

「Lightシリーズ」は、軽量物吊り上げ用のクランプ。1台あたりの最小吊り荷重は10㎏。2点吊りで最小20㎏、最大200㎏の鋼板や形鋼などを吊り上げることができる。

軽量物をしっかりと掴めるようにクランプの出力比率を向上。これにより軽量の鋼板や形鋼を安全に吊り上げることができる。

鉄鋼構造物などの製造現場では、数十㎏程度の比較的軽い鋼板や形鋼はこれまで、作業者が複数人で持ち運んだり、重量物用のクランプで許容を超えて運んだりしていた。

しかし作業者の安全を守る動きが製造業で広がる中、労働災害を防ぐため軽いワークを安全に吊れるクランプを望む声が増えていた。

これまで軽量物吊り上げ用クランプは、要望するユーザーそれぞれに合わせて特別仕様品を手掛けてきた。しかしニーズが広がる中で標準品としてラインアップに加えた。

縦吊り用の「LV型」と横吊り用の「LH型」の2機種。吊り上げるワークの使用荷重はどちらも10~100㎏、有効板厚は「LV型」が1~10㎜、「LH型」が1~12㎜。

PART2

育良精機「穴あけ加工を効率化」

ライトボーラー「ISK-LB30ST/50ST」

建設業界で人手不足や、働き方改革による工期短縮が課題となる中、現場での穴あけ加工作業をいかに効率良く、ストレスなく出来るかを追求し、開発した。新型の「ISK-LB30ST/50ST」は、顧客の要望を取り入れ、さらに進化させた。

これまで刃物の交換には工具を要していたが、工具レスでの交換が可能となった。また、刃物先端を照射する超高輝度LEDにスイッチを設け、マグネット電源スイッチと別回路に改良。マグネットを吸着させる前に照射でき、さらに首振りと連動させることで刃物先端を効率良く照射することが可能となった。穴あけの位置合わせがより簡単になり、作業効率が向上する。

本体は小型軽量で、100×100のH鋼のウェブ面にも入るコンパクトタイプ。首振り量も大きく、左右に40㎜、前後に20㎜とマグネット吸着後でも位置合わせが可能な他、ラチェットハンドルで深穴でもスムーズにストロークを伸ばすこともできる。また、従来からのパワフルモータによって、小径から大口径までの加工に対応する。

PART3

浦谷商事「マーキングコスト削減」

2次元コード金型部品

プラスチックの製品や部品に2次元コードやQRコードを射出成形時に刻印できる金型部品。シールやレーザーマーカーで印字するのが一般的だが、金型の入れ子を取り換えるだけなので、簡単に量産品にマーキングができる。

金型の一部を加工するだけのため、導入コストが安い。さらに、シールを貼付する手間も無くなるので、ランニングコスト削減にもつながる。

製品に直接マーキングするため、シールのように剥がれることがなく、半永久的な使用が可能だ。取り換えも金型の分割面であるPL面から簡単行える。

製品に2次元コード刻印することのメリットは多い。刻印したQRコードをバーコードリーダーで読み込むことで、検査工程のポカヨケ対策ほか、在庫管理も簡単に行える。

また、QRコードを製品に刻印することで、メンテナンス方法や部品納入サイトへの誘導など、効率的に情報提供を行える。

なお、同製品はインターモールド大阪(4月23日~)とインターモールド名古屋(7月6日~)に出展する。

PART4

オーエスジー「バリ抑制、立ち壁も」

非鉄用DLC超硬エンドミル「AE-T-Nシリーズ」

多彩な品揃えであらゆるニーズに対応する非鉄用DLC超硬エンドミルが注目を集める。

標準仕様の「AE-TS-N、AE-TL-N」は、表面の平滑さに優れるDLC-SUPER HARDコーティングを採用。抜群の切れ味でバリを抑制し、加工面品位を向上。耐溶着性や潤滑性が求められるアルミニウム合金などの非鉄金属の加工に抜群の威力を発揮する。

多様な加工に対応し高能率・高品質を実現する高機能タイプ「AE-VTS-N」、「AE-VTFE-N」にはDLC-IGUSSコーティングを採用し、抜群の耐久性を誇る。不等分割・不等リードにより高い防振効果を発揮する。

「AE-TS-N」「AE-TL-N」「AE-VTS-N」には、直角コーナを加工できるピンカドタイプも用意。
部品加工から航空機産業まで幅広い分野で活躍する。

高機能・立ち壁対応型の「AE-VTFE-N」は、L/D=5D以上の立ち壁を2.5D刃長により最大2Dの大きなステップ切削で高能率・高精度に加工する。

PART5

オークマ「省エネ・自動化・高精度を実現」

横形マシニングセンタ「MA-8000H」

「MA-8000H」は、テーブルサイズ800×800㎜の横形マシニングセンタで、強力主軸による高い生産性、柔軟な自動化対応、高い切粉除去性能が特長。幅広い材種に対応する10000min-1の強力主軸をラインナップし、高能率加工を実現する。最大積載ワーク寸法はφ1450㎜×1450㎜。

「サーモフレンドリーコンセプト」により、過度な電力消費を伴う特別な熱変位対策を施すことなく、機械が自律的に安定した精度維持を実現。知能化省エネ機能「ECO アイドルストップ」により、冷却の要否を機械が自ら判断し、高精度を維持したまま冷却装置をアイドルストップ。高精度と省電力の両立を実現する。

また、充実した油圧・空圧治具のポート数や多面APCで自動化に柔軟に対応する。機内の切粉清掃の頻度を削減。特別仕様のスラッジレスタンクにより、タンク内に滞留するスラッジを99%回収(鋳物の場合)、クーラントの長寿命化を実現し、環境負荷の低減にも貢献する。

PART6

カネテック「大物ワーク、自動化ニーズに対応」

トンネル形脱磁器「KMDT-50A/60A」

塗装、メッキ前の鉄材ワーク、自動車部品加工などの大物ワークに適したトンネル形脱磁器。これまでゲート幅最大400㎜だった標準ラインアップを500㎜、600㎜まで広げたことで、従来特殊製作対応となっていた大きなワークや特殊形状のワークなどへの力が大幅に向上した。

トンネル形脱磁器はトンネル内を通過するワークに対し、発生させる交番磁界によって残留磁気を除去する。均等な脱磁エリアが得られるため、通過するワークは全周にほぼ一様な脱磁の効果を得ることができる。

これまでトンネル形脱磁器が利用できない大きなワークはハンド形脱磁器やテーブル形脱磁器で複数回にわたって脱磁を行っていたが、ゲート幅を広げたことによって、大物ワークなどに対応できるだけでなく、ライン上に組み込み、コンベア搬送にて自動でワークを脱磁することも可能となる。また、小物ワークを大量にバケットごと通過させることもできる。

機械工具販売店に対しては、脱磁についての勉強会や小型の脱磁器によるデモなどを行う。

PART7

象印チェンブロック「ダイレクトな操作感で効率向上」

ダイレクトハンドシリーズ「スライドグリップタイプ」

操作性の高い小型電気チェーンブロック“ダイレクトハンドシリーズ”の「スライドグリップタイプ」が注目だ。電気チェーンブロックの片手操作が可能で、シンプルでダイレクトな操作感により作業性を向上させる。

下フックユニットを握った状態で、親指で可動グリップを上下させるだけで吊荷を上下することができる。吊り荷を直接持って動かしているようなダイレクトな操作感で安全に作業できる。

ボリューム式の速度調整つまみが付いており、作業に合わせた速度設定が可能。また、可動グリップの移動量で高速・低速を変速できる2速選択型と、速度切替スイッチで高速・低速を切替える2速切替型、速度一定の一速型を用意している。

軽レールクレーンやジブクレーンと組合せれば、水平移動の時にも威力を発揮する。

組立作業や治具交換、型合わせ等々、吊り荷の作業性・効率を更に向上したい現場に最適。

複数人作業を無理なく1人作業にすることで、感染症対策にも寄与する。

PART8

大昭和精機「回転中の振れを測定・調整」

非接触工具位置測定器「ダイナゼロシステム」

「ダイナゼロビジョン」は、機械の高速回転に伴う刃先の振れを高精度に測定・グラフ化し、専用のホルダ「ダイナゼロチャック」に組み込まれたネジの締め付けによる反力でホルダを弾性変形させ、動的振れを修正。「ダイナゼロシステム」として振れを抑えバランスの取れた調整が行える。

主軸高速回転中での動的振れ量の測定は難しく、高精度に測定できる機内工具測定器が今までは存在していなかった。「ダイナゼロビジョン」は、擬似的に低速回転化するためにストロボ効果を応用し、工具回転が完全に停止した状態に見える動画を撮影できる。工具のR輪郭形状、工具長・径、伸びも測定、表面観察も行え、測定データ(測定値と画像)は自動的に保存される。

測定結果で振れが生じている箇所を「ダイナゼロチャック」のネジで調整・補正する。

精度の違いはあるものの、振れの測定は可能ではあったが、最終的に調整までできるシステムは存在しなかった。測定後に表示されたアンバランス量を見ながら専用ホルダで簡単に調整が可能。

PART9

帝国チャック「省段取り・交換工具レスへ」

新型クイックチェンジ  ジョウ&ストッパー

金属部品の加工現場はロボット導入が本格的に進んでいないのが現状だ。

そこで同社は自動車部品における切削加工の生産ラインでロボットを導入するにはまだまだ時間を要すると考え、作業員の省段取り、交換工具レス、ポカミスをなくすために開発したのが「新型クイックチェンジャー ジョウ&ストッパー」だ。

従来から省段取りに特化したジョウ(爪)や当て金(ストッパー)の製作/販売していたが、同製品は従来品より直感的に交換することが可能。

これまで交換時に用意していたプラスチックハンマーなどの工具使用もなく、非常にシンプルに利用できるように設計されており、使用する技術も不要。そのため、作業の迅速化、ポカミスの削減、交換工具の不要といった効果が期待でき、切削加工現場の生産性向上に貢献する。

既存パワーチャックへの搭載可否はジョウ(爪)の場合、同社製UBLやOPAに搭載可能で、当て金(ストッパー)も同社製パワーチャック全般に搭載できる。

PART10

日本レヂボン「切断力と耐久性を両立」

レヂボンスーパーカットプレミアムRSCP

切断力と耐久性を両立した切断砥石。屋外の現場で安全に作業したい、タイトな工期に対応したい、できるだけ1枚で長く切断作業をしたい—。そんな課題を解決する。

切断砥石はこれまで切断力と耐久性の両方の能力を引き上げるのは技術的に難しいとされてきた。しかし長年にわたり研究と改良を重ね、独自の特殊な製造方法によってそれを実現した。

1.0㎜厚は従来製品と比べて切断する速さを約20%向上。1.5㎜厚は約3倍の耐久力を備えている。これにより切断作業時間を大幅に短縮。さらに砥石を取り替える回数やその作業の時間とコストも削減する。

主力の切断砥石「レヂボンスーパーカットRSC」のハイエンド品として昨年、発売した。主な用途は一般鋼、炭素鋼、ステンレス鋼などの切断。外径は105㎜、と材はセラミック砥石CE、粒度は40。

ユーチューブで特長や使い方を紹介する動画を見ることができる。

PART11

ユキワ精工「生産性向上、コストダウンに貢献」

ツールホルダー「スーパーG1チャック」

「スーパーG1チャック」は、同社が長年培ってきたコレットチャックの技術を駆使して開発したツールホルダー。高い振れ精度、高い剛性、高い把握力が特長。工作機械と切削工具の性能を最大限に引き出すことができ、ユーザーの生産性向上、コストダウンに大きく貢献する。

ツールホルダーは工作機械の主軸と切削工具をつなぐ重要な機器である一方、機械や工具に比べてユーザーの中ではあまり意識されていない傾向が強い製品でもある。ツールホルダーが加工に与える影響は大きく、ツールホルダーを変更するだけでも加工精度や生産性を向上させることができることもあるほどだ。

「スーパーG1チャック」に置き換えることによって、工具の長寿命化、ワーク品質の向上、サイクルタイムの短縮などの効果が期待できる。加えて、無駄な振れ精度調整が不要になるため、調整時間が削減でき、作業時間の短縮による労務費の削減にもつながる。

製品サンプルを貸し出しており、実際に使用して性能を確認することができる。

日本産機新聞 2022年3月20日

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