2025年12月21日(日)

付加価値を生む人に コツコツ地道に、常に考える -仕事考-

期待の新入社員

今年も、もうすぐフレッシュな若者たちが日本の基幹産業、機械・工具業界に入ってくる。コロナ禍で就職活動も採用活動も大変だったろう。

麦は少し伸びた頃に踏み倒され、伸びてきたらまた踏み倒され強くなる。若者たちも経験をするだろう。農作業は根気を必要とする。畑1枚を耕そうとすると、昔なら鍬を使う。最初は、「まだこんなにやらないといけない」と思うが、毎日毎日コツコツと耕していると、徐々にゴールが見えてきて、楽しみに変わる。

元横綱大鵬の納谷幸喜氏は、「最初から稽古が好きな力士はいない。だから嘘ばかり言ってごまかす。遮二無二やらされるうちに、あいつに勝ちたいとか欲が出てきて、進んで稽古をやるようになる」と言っていた。会社でも同じ。嫌なことも、逃げたいようなことも、何故するのかわからないようなことも、与えられた仕事をコツコツと地道にやり続けることから始まる。

しかし、言われたことを、ただ一生懸命やるだけでは成長しない。「自分ならこうする」「こうした方が良いのではないか」と考え、疑問を持ちながらやることが成長に繋がる。たとえ単純作業でも、どうすれば効率を上げられるか、どうすればきれいにできるだろうか、どうすればミスを無くすことができるだろうか、どうすればこの資料を見やすくできるだろうか…など絶えず考えながら取り組むことで着実に成長し、戦力になる。

突き詰めれば、上司や社長が求めることを理解し、仕事をする練習、復習が大切だ。さらに言えば、経営的発想で物事を考えられる人が求められる。

会社は、大きく分けると、仕事をする人と作業をする人がいる。若者たちには一言一動が付加価値を生み出すような仕事人になってほしい。

一方で、竹のように暴風でも折れないしなやかさも必要だ。竹に節があるように、仕事をするときは仕事に集中し、遊ぶときは遊び、けじめのある生活をすることが人としての強さにもつながる。そんな、社会人に成長してもらいたい。

日本産機新聞 2022年3月20日

[ コラム ][ 仕事考 ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

【Innovation!】商社のPB商品

多様化するニーズに対応 商社のプライベート(PB)商品は、多様化するニーズに合わせ日々進化を遂げている。長年にわたりユーザーニーズを捉えてきた経験を生かし、高性能や使いやすさに配慮するなど各社は工夫を凝らす。作業工具や切 […]

中山視覚福祉財団 中山ワンダフルフェスタを開催

中山視覚福祉財団(中山哲也理事長・トラスコ中山社長)は、トラスコ中山と共催で、10月17日、神戸文化ホール(神戸市中央区)において第25回中山ワンダフルフェスタを開催した。兵庫県下の視覚障がい者や関係者などが招待された。 […]

ブラザー工業「複合加工機にギア加工を追加」【人手不足時代に対応する工程集約・工程短縮】

SPEEDIOシリーズ「M200/300Xd1」 ブラザー工業はSPEEDIOシリーズの複合加工機「M200/300Xd1」で、従来の旋削加工とマシニング加工に加え、新たにギア加工の専用機能(オプション)を開発した。スカ […]

トピックス

関連サイト