2026年10月7日(水)

この人に聞く −山久 平山 正樹 社長(フェイス&ネット取締役)−

USAGIは機械工具流通の未来を拓くITツールとなるか

 機械工具販売店が共同運営するシステム会社、フェイス&ネットが設立から今年で6年を迎える。販売店もユーザーにもメリットのあるオンライン取引システムとして開発した「USAGI」。本格的に活用し始めた背景とその効果、そしてこれからの展開は。フェイス&ネット発足メンバーの山久の平山正樹社長に聞いた。

山久 滋賀県内6拠点や岐阜、タイ現地法人を持つ販売店。従業員は74人。子育て推進「くるみんマーク」取得企業。昭和6年の創業から今年で90周年を迎える。フェイス&ネット発足メンバーの1社。
USAGI 山久や高松産業など販売店で発足したフェイス&ネットが開発した販売店とユーザーとの取引システム。見積もりや注文、ウェブカタログ、ビジネスマッチングなどの機能がある。同社の参加メンバーがユーザーとの取引で使える。

業務はできる限り自動化を −勝ち残るにはDXの推進−

自発的に取り組んでいるか

 フェイス&ネットの設立に参画したのは、代表者となる高松産業の河邊育子社長にある時に投げ掛けられた言葉がきっかけです。その言葉が「取引業務でIT化を進めておられますか?」でした。

 2000年頃から大手ユーザーとの電子商取引システム(EDI)には対応しており、卸商社が提供する(オレンジコマースなど)購買システムも利用していました。しかし、それはユーザーや商社のシステムを利用しているだけで、自発的には何もしていない。強い危機感を抱き、発足に加わりました。

通信コストを大幅削減  

 USAGIをユーザーに利用して頂くように本格的に力を入れたのは、コロナショックがきっかけです。緊急事態宣言で4月後半から当社も業務にテレワークを導入し在宅勤務になったので、電話やファックスで注文を頂くことが多い中小企業ユーザーに利用を呼び掛けました。

 オンラインでユーザーへの見積もりや商品の受注ができるUSAGIは電話、ファックスを補完するツールとして大いに役立ちました。が、効果はそれだけではありませんでした。その一つが通信費。電話やファックスの費用が以前の3分の1に。多い月には十万円以上も削減できた。USAGIを利用するユーザーはまだほんの一部。利用者が増えればもっと効果が出ると感じています。

迫る自動化の波

 取引業務はますます自動化が進んでいきます。銀行の取引も株の売買もネットでできる時代。実生活でもオンライン化が進んでいるのに機械工具流通だけ別ということにはならない。

 人手不足や働き方改革が進む中、ユーザーも購買の人員を減らし、その業務の効率化を望んでいる。カタログを見るよりほとんどがネット検索するオンライン化の時代。ユーザーも販売店も取引業務の効率化を求めるのだから、当然アプリ開発などの方向へ進むと感じています。

DXの推進&タイムロスの削減

 将来はもっと業務の自動化を進めたい。これまではアナログ→デジタル、即ちデジタイゼーションの段階。現在はRPA(ロボットによる業務の自動化)導入により繰り返しの事務作業を自動化できている。受発注や価格設定、在庫管理。そうした仕事はできる限り効率化、自動化する。AIを活用すれば、もっとできるはず。デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が私たち販売店の業務効率だけでなく、営業力も向上させる。ユーザーが販売店に求めるのは、タイムロスの削減。それが将来を勝ち残る秘訣だと確信しています。

日本産機新聞 2021年3月5日

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