2026年10月12日(月)

ブレない判断軸を持つ 安易に妥協せず第3の案を −仕事考−

社長の仕事は「決断」

「社長は、決めることが仕事」と言うのは、ある金型メーカーの社長(51歳)。好不況に関わらずコンスタントに設備投資をし、コロナ禍で受注が激減しても、社員を減らさず黒字を継続している。「会議は時間の無駄なので殆どしない」とも。

「本当に会議を開かないのか」と念を押すと、「社員からの提案や陳情はいつでも受け付けており、内容を聞いて決断する」という。「但し、『どうしましょうか?』というような、何の考えも持たない相談は受け付けない。会議をしても、決まらない会議なら時間の無駄」と付け加えた。

もちろん、即決できる内容と、時間を掛けて検討したり調査したりしないといけない内容は、できるだけ早く決めるように心掛けている。得意先からの要求や現場の改善、工程の見直しなどに関するものは、ブレない判断軸を持っているから即決できる。決断を先延ばしにし、その間に傷が大きくなってしまう可能性のある場合はその場で決める必要がある。リスクをよく意識し、想定した上で、すぐに動いた方が良さそうであれば、多少のムダを覚悟の上で即決する。ただ、その場の雰囲気やプレッシャーに流されて決めると、ムダに部下を振り回してしまうことになるので要注意。そのために、ブレない判断軸が必要と説く。

では、ブレない判断軸とはどんな視点なのか。

・お客様視点で考える。

・目先のことで考えず、長期を見据える。

・そもそもの目的とズレていないかを確認する。

・放置した場合のリスク、決断したときのリスクを想定する。

・失敗しても、勉強代くらいで考えられる範囲かどうかを読む。

・投資対効果で考え、効果が見えない場合はやらない。

などが考えられる。自分なりの判断軸を持っておきたい。

注意したい事は、品質を向上したいがコストがかかるというようなケースがある。その時に、品質の向上が至上命題であれば、安易にコスト面で妥協するということになりかねない。だが、安易に妥協するのでは無く、品質とコストの両方を追求するために、第3の案を探し、絞り出すべき。職場、事業が、そして社員が強くなれる。

社長やリーダーの判断軸は、社員にも伝染する。また、そうあって欲しい。不確実な時にあっても一致団結に繋がる。

日本産機新聞 2021年3月5日

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