2026年10月5日(月)

【特集】メーカー各社に聞く「良い工具」−田野井製作所−

安定した加工を実現 −自動化ニーズに対応−

田野井製作所 ミヤギタノイ 技術部長 久保 武史氏

現在の開発テーマは。

 これまでの「高速」「長寿命」に加えて、「安定」をテーマに据えている。自動化が進み、突発的なトラブルが起きない「安定して使える工具」のニーズが高まっている。

どんな製品を開発しているか。

 当社のロングセラー商品である「シームレスタフレット」がその一つ。転造タップの課題だった「シーム部分」を切除する切れ刃を設け、転造タップと切削タップの利点を両立させた画期的な製品。発売から20年以上経った現在でも高い評価を得ている。

最近の製品では。

 一つは、この「シームレスタフレット」にサイドスルー溝を設けた「ZCシリーズ」。サイドスルーによって、排出・冷却効果が高まり、速度、寿命、安定性が向上する。もう一つは、ねじ山形状や表面など工具設計を一から見直した転造タップ「W‐TF」。従来製品に比べ、2倍の加工速度と工具寿命を実現する。

貴社が考える「いい工具」とは。

 ユーザーの課題を解決する工具だと考える。メーカーは一人よがりにならず、ユーザーが抱える一つひとつの課題に向き合い、いかに喜んでもらえる工具を作るかが大事。今後はそれだけでなく、そこで生み出された技術を他のユーザーにも展開できるように意識しながら開発に取り組んでいきたい。

今後の開発の方向性は。

 さらなる「安定化」を目指していきたい。また、IoTにも取り組んでいきたい。最近では、機械だけでなく、ホルダでもIoTの活用が進んでいる。切削工具にどう取り入れることができるか。技術動向を注視しながら、乗り遅れないように備えていく。

流通業界にひとこと。

 当社は今後も「いい工具」を開発し、提供できるように努める。新しい課題や市場動向など情報をお互いに共有しながら、一緒に考え、市場の課題を解決していきたい。

シームレスタフレット「SL‐TF」

 転造タップにエンドミル刃を設け、めねじ信頼性を向上させた。めねじ山頂のバリを切除するほか、下穴曲がりによる内径不良や、ボルトの締め付け不良を解消する。サイドスルー仕様も加え、600種類以上の標準品をラインアップする。

日本産機新聞 2021年2月20日

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