2025年7月15日(火)

軽量、高剛性の新素材開発 − 牧野フライス製作所ら4社−

生産性高め、環境負荷減

 牧野フライス製作所はこのほど、鋳物メーカーらと共同で、軽量で剛性の高い新素材を開発した。工作機械の可動構造部に採用し、高速化や消費電力の削減など機械の高性能化につなげる。

 新素材「ATHIUM(アシウム)」は、田島軽金属(埼玉県羽生市)、ヒノデホールディングス(福岡市博多区)、日之出水道機器(同)の4社で共同開発した。工作機械で広く使われている、ねずみ鋳鉄より6割軽く、同等の剛性を確保した。

 軽量化の利点は多い。可動構造部が軽くなることで、俊敏な動きが可能になるほか、稼働時の衝撃軽減にもつながる。また、ボールねじ、モータなどのイナーシャ(慣性の力)を5割削減でき、生産性で従来比85%向上し、消費電力など環境負荷を45%減らせる。

 アシウムを採用した機械は2021年度内に発売する計画。素材価格は高くなるが、設計の見直しなどにより、機械のコストを吸収するという。

 牧野フライスはアシウムを機械に採用することで、高性能化につなげるが、同社の井上真一社長は「機械だけでなく、高速移動体など幅広い分野に適用できる」と話す。ヒノデホールディングスの木塚勝典取締役常務執行役員も「まずはロボットや半導体装置メーカーなどの分野に提案していきたい」と適用領域を広げる考えだ。

日本産機新聞 2021年1月20日

[ ニュース ][ 日本産機新聞 ][ 機械工具業界の出来事 ][ 製品 ] カテゴリの関連記事

日本レヂボン 研削研磨のグローバルメーカーに

日本レヂボン 研削研磨のグローバルメーカーに

レヂボン水魚会 支部総会を開催 日本レヂボン(大阪市西区、06・6538・0136)は6月10日、宝塚ホテル(兵庫県宝塚市)で関西支部と中・四国支部合同のレヂボン水魚会支部総会を開いた。グループ企業との連携による海外市場 […]

三洋工具 軟質ゴムを高精度加工

三洋工具 軟質ゴムを高精度加工

三洋工具(東京都品川区、小野昌晴社長、03・3490・6821)はこのほど、軟質ゴムの切削加工に特化した超硬エンドミル「VMQE」を開発・新発売した。シリコンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴムなど多様な素材に対応する。 […]

特集 メーカーの省エネ提案

特集 メーカーの省エネ提案

カーボンニュートラル実現に向けた動きが世界的に広がる中、製造現場でも省エネの重要性は増している。メーカーも電力使用量やCO2排出削減につながる製品の開発に力を入れる。オイルを使わないコンプレッサやエア漏れを可視化する製品 […]

トピックス

関連サイト