2025年6月13日(金)

監視システム事業買収 –日本精工–

コト売りを強化

 日本精工は12月10日、英スペクトリス社から状態監視システム事業を買収したと発表した。買収額は約211億円。日本精工の産業機器や風力発電、軸受けなどの製品に、状態監視システムを組みこむことで、予防保全などのコト売り事業の強化につなげる。

 買収した英スペクトリス社の状態監視システム事業は傘下のブリュエル・ケアー・バイブロ社(BKV社)を中心に構成。BKV社は1942年の創業で、北海油田リグの常時監視を手掛ける老舗。売上高は約65億円で、センサなど機器に加え、豊富なデータ量とその解析技術が強みだ。また、風力発電での状態
監視の実績を豊富に持つ。

 日本精工は19年に発表した中期経営計画で、状態監視事業を成長のドライバと位置付け、機器の販売にとどまらず、故障診断や余寿命診断などコト売りに事業を広げてきた。

 今回の買収でそれを加速させる。BKV社の状態監視のノウハウを活かし、風力発電や産業機器、軸受など自社の製品と組み合わせることで、予防保全などのさらなるサービスの強化につなげる。

 内山俊弘社長は「モノ売りを強くするためには、コト売りが必要。両方の機能を補完することで、26年には約100億円の収益の効果がでるようにしたい」と話した。

日本産機新聞 2021年1月5日

[ ニュース ][ 日本産機新聞 ][ 機械工具業界の出来事 ] カテゴリの関連記事

渡辺精機 20億円投じ宮城に新工場【投資する半導体製造装置部品メーカー】

半導体製造装置部品などを手がける渡辺精機(山梨県市川三郷町)は昨年1月、宮城県大衡村に新工場を設立した。約20億円をかけて、マシニングセンタ(MC)やNC旋盤など9台を導入。需要拡大が見込まれるエッチング装置や成膜装置向 […]

池松機工 5軸駆使し生産性と品質高める 【投資する半導体製造装置部品メーカー】

池松機工はこの14年で残業時間を5分の1に減らし営業利益を2倍に増やした。それにより安定して人材を採用できるようになり財務体質も改善した。原動力となったのが5軸加工と自動化による生産体制の大改革。未来を拓く技術と見極め、 […]

積極投資で生産能力増強 【特集:投資する半導体製造装置部品メーカー】

積極投資で生産能力増強 【特集:投資する半導体製造装置部品メーカー】

日本半導体製造装置協会(SEAJ)によると、日本製半導体製造装置の市場は2024年度に初めて4兆円を超え、26年度には5兆円に到達する見通しだという。製造装置メーカー各社は技術開発や生産能力の増強に向けた投資を増やし、拡 […]

トピックス

関連サイト