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MECT2021総集編
6万8千人が来場、2年ぶり開催
10月20~23日にポートメッセなごやで開催された、今年最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン2021」。実に2年ぶりのリアル展には多くの来場者が訪れ、出展者は多くの新技術を提案した。その中から、今回の開催テーマである「自動化」や、生産財でますます重要度が高まっている「EV」、「カーボンニュートラル」、「DX」など、4つのテーマに注目し各社の提案を紹介する。
ロボ一体型、カメラ内蔵のAGV 〜自動化〜
AGVなど無人搬送車が工場内の物流を自動化させる技術として注目を集めている。ロボットと組み合わせれば、ワークの着脱から搬送まで自動化させることができ、人の作業に頼っていた搬送作業を自動化させることで、人が付加価値の高い作業に専念できる、次世代の物流搬送を披露する企業が多く見られた。
DMG森精機は次世代搬送システム「WH‐AGV5」を出展。2018年のJIMTOFでも披露された商品で、今秋発売したばかりだ。複数の機械間を自動で移動し、ロボットがワーク交換などを行いながら工場内物流の自動化をイメージ。THKは磁気テープなどが不要な搬送ロボット「SIGNAS」を披露。内蔵カメラが目印となるサインポストを認識しながら自律移動するため、プログラミング知識がなくてもルート変更ができ、ロボットに不慣れな現場でも使いやすい。
測定や検査工程の自動化も広がっている。東京精密は、AGVがワークを搬送し産業用ロボットがパレット上のワークを三次元測定機へ投入する一連の流れを実演した。
摩擦撹拌接合、EV部品用工具 〜EV〜
自動車の電動化に対応した技術を展示する企業も目立った。アマダは全ての展示が電動車に関連する部品の製造技術だった。サーボプレス「SDEW8010I3 GOIRKI」を展示し、電動車の配電に使うバスバーの加工技術を披露した他、フォーミングマシン「NI26A」によるモータコア向けヘアピンの加工技術などを紹介した。
計測機器メーカーのマーポスも電動車部品に対応した技術を展示した。新製品の電気モータ機能テストシステム「LT400」を初めて出品。その他、既存製品でも電動車部品に関連する製品群をまとめて紹介した。
電動車部品向けの製造技術として注目を集めたのが、摩擦撹拌接合(FSW)。バッテリーケースの製作などで活用が進んでおり、芝浦機械やホーコス、ヤマザキマザックなどが展示していた。
また、電動車部品の加工に適した工具を展示する工具メーカーも見られた。京セラは電動車部品向けの工具を展示。モータハウジングやシャフトなどの加工に最適なドリルやチップなどを紹介した。
デジタルツイン、情報見える化 〜DX〜
工作機械では、デジタルツインの活用が増えている。ヤマザキマザックでは、工作機械の仮想モデルをPC上に作成するソフトウェア「MAZATROL TWINS」を提案。工具のデータや各種パラメータなど、全てのデータを加工現場にある実際の機械と同期させ、仮想モデル上で精度の高いデジタル段取りが行える。オークマでは、知能化工作機械を軸にしたデジタルツインを披露。生産に関わる様々な情報を繋いで見える化し、加工の検証から設計、稼働や加工の分析をデジタル上で行うことで、実際の加工改善に活かすことができる。
工具のセンシング技術も進む。住友電気工業では、バイトのホルダにひずみを図るセンサを内蔵。加工中の工具のひずみがグラフで表示され、異常があれば目視で確認できる。また、京セラでは工具の振れ幅を測る方法も披露した。一方、三菱マテリアルのモニタリングシステム「ニックス」では、機械の電流値で工具の摩耗状況を確認するという手法を披露。各社とも異なるアプローチも見せた。
消費電力やオイル使用量を削減 〜カーボンニュートラル〜
開会式で、愛機工の水谷隆彦理事長が「脱炭素への対応は全企業に求められる。本展が役立つ機会となればいい」と述べたように、カーボンニュートラル(CN)に関する提案が増え始めている。
機械のダウンサイジングによるエネルギー削減をアピールしたのはブラザー工業。加工能力や範囲を向上させた30番機を展示。一般的な40番のMCと比較し、消費電力で約87%、サイクルタイムも約53%削減した。
ヤマザキマザックでは、カーボンフットプリントを30年に10年比で50%削減と提示。金属AMの活用や、CO2レーザーからファイバーレザーへの置き換えによるCO2削減の事例などを紹介した。オークマも熱制御技術「サーモフレンドリーコンセプト」など知能化技術の活用による、CNへの貢献を数値で示した。
今年刷新した水循環式オイルフリーコンプレッサを展示したのは三井精機工業。自動車業界からもオイルフリーの引き合いが強まっているという。オイルの使用量減に加え、インバータ制御でCO2削減効果が高いためだ。担当者は「環境負荷低減に貢献する商品を持ってきて欲しいと言われるようになった」という。
「車・航空機・ロボ」テーマにセミナー
メカトロテックジャパン2021では、成長産業として注目される「自動車」、「航空機」「ロボット」の技術革新の動向や市場の成長性、今後の課題と取り組むべきことをテーマにセミナーも開かれた。
CNはモータ、電池、PCUがコア技術
「カーボンニュートラルを見据えたモノづくりの進化」をテーマに講演したトヨタ自動車・生産本部衣浦工場工場長の野村英司氏(写真)は、2035年に同社の工場でのカーボンニュートラルを達成するため、模索しながら取り組んでいると述べた。
その電気自動車開発の取り組みとして、「モータ、電池、PCU(パワーコントロールユニット)の3つがコア技術となる。また軽いボディーシャーシや電池ファーストのプラットフォーム、アルミダイカストの軽量化、ボディー剛性を強化するための接合技術などの技術開発も進めていく」と話した。
操縦性、持続可能性、製造効率がテーマ
ボーイングのフィリップ・チャン氏(写真)は「航空宇宙業界が直面する課題とチャンス」をテーマに、航空機産業の市況や日本でのサプライチェーンの状況、今後の技術動向などについて講演した。
今後の市場予測については21年から30年の10年間で約1万9000機の新造機需要があると予測し、特に単通路機の需要が拡大する見込みだと紹介した。
将来に向けた技術テーマでは、「操縦性」「持続可能性」「製造効率」の3つを挙げた。ロボット技術の開発やAIの活用などについても言及し、日本企業と協業しながら開発に取り組む考えを示した。
自律分散型のロボット活用
「ロボットによる変種・変量生産の実現」がテーマの安川電機の小川昌寛常務・ロボット事業部長(写真)は、1977年に産業ロボットを発表するなど早くから製造業のFA化を見据えロボット開発に取り組んできたことを説明。
ただ、ものづくりが少品種大量生産の当時は一定の動作をロボットが繰り返すことでFA化できたが、近年の変種変量のものづくりでは自動化のニーズに応えにくくなっていると指摘。
そのうえで、「工場で稼働するロボットがそれぞれ、自らタスクの情報を認識し活動する。そんな自律分散型によるロボットの活用が今後、必要となってくる」と語った。
日本産機新聞 2021年11月5日
TONEは、本社を同社最大拠点である河内長野工場に統合、移転した。9月26日から業務を開始した。 今回の統合により、開発、製造、営業企画、品質保証、管理の各部門と経営を一体化。部門間のコミュニケーション向上を図り、一層綿 […]
ツーリングメーカーのエヌティーツール(愛知県高浜市、0566-54-0101)は福岡県筑紫野市に九州事務所を開設し、九州地域での迅速かつ細やかなサービスを提供することで顧客の課題解決に応えていく。住所は福岡県筑紫野市原田 […]