2021年11月30日(火)

ブランド力で差別化を –メーカーのブランディング戦略–

 昨今、ブランドの有る無しが商品の販売実績や企業価値を決定するのに欠かせない要素となっている。ブランド力があれば、企業や製品に対する「他社との差別化」やユーザーが簡単に商品を選択できる「選択の単純化」、「信頼性が増すことによる「品質保証や安心感」などにつながるため、メーカー各社も様々な手法でブランド強化に乗り出した。ブランド作りに必要なことは何なのか、今問われているブランド作りに迫る。

情報発信力を強化

社内の啓蒙活動も

 ブランド力を高めると、前述の様々なメリットがあり、ブランド企業になることで、固定ユーザーの創出や知名度向上、企業提携の機会創出、資源調達の優位性、価格競争の回避といった企業や製品の優位性を高めることができる。ではメーカー各社は、どんなブランディングを行っているのか。

 中国の工具を幅広く取り扱う京二は中国工具の価格メリットを武器に、「中国工具の京二」を打ち出してきたが、近年は加工技術の提案も加えた取り組みを始めている。さらに重要性を帯びているのがデザイン性と情報発信力で、技術力があることを伝えなければブランドは成立しない。井口宗久社長は「残念ながら、製品やカタログが古めかしい」と、工業デザイナーを採用し、プロダクトデザインから刷新を進め、ユーザー層に伝えるための情報発信を強化し、ブランドの浸透を図る。

 三菱マテリアルは2017年、高品質の「DIA」と最先端の「EDGE」を組み合わせた新ブランド「DIAEDGE(ダイヤエッジ)」を立ち上げ、テクニカルセンターでのセミナーやテスト加工など技術サポートをメインに、切削工具の総合的な提案を図っている。

 ベッセルは全国の自動車整備工場やものづくり工場を訪問し、現場の技術者に工具の特長や使いやすさを紹介するキャラバンカー活動を展開。顧客との機会創出の場を増やすと共に、SNSやメルマガによる情報発信も強化、ブランドの認知度向上に努めている。直近は社外向けのブランディングだけでなく、社内の意思統一を図るため、会社の目標などをまとめた冊子を社員に配布。目的や方向性の理解・浸透に力を入れている。

 メーカーのブランディング活動はデザイン性重視の取り組みからユーザーとの接点やSNSを活用した情報発信強化など、ブランドを浸透させる取り組みが目立ち始めた。また、社内のブランドに対する理解度も重要だ。これも発信力に関係してくるだろう。今後も国内市場は人口減少で縮小するという見方が多い。その中でブランド力こそが企業が成長するキーワードになる。

日本産機新聞 2020年10月5日

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