2025年7月5日(土)

下位をレベルアップ 〝考動〟を促す

2:6:2

 会社組織は2:6:2の割合で3つのグループに分類されると言われる。上位の2割は、優秀なグループで、高い能力と生産性を有する。自律的に仕事をし、仕事を任せられる。中位の6割は、平均的な集団で、指示されたことはソツなくこなすが、指示待ちが多い。下位の2割は生産性が低く成果が上がらなく、仕事を任せられないし、任せたくない社員だ。

 会社はアメーバのように常に動く。このため、上中位の負担が増えないように下位の2割を切ったとしても、残りの8割の中で変化が起こり、また新たに下位の2割が形成される。優秀な人ばかりを集めたつもりでも、やはり2:6:2に分かれるらしい。全員が上位の人たちだったらどんなにすごい会社になるだろうと考えるが、それは現実的でない。人間は不思議な生き物だ。

 下位の2割も必要だと思う方がいい。いざという時に役に立つ。碁に例えれば、捨て石にする。捨て石は、後に輝くことになり、用は使い方になる。上位・中位の人達は、普段から忙しく仕事をしており、緊急事態が発生した場合下位を即戦力として使うことを考えたい。下位者出番が生まれる。

 しかし、本当にそれでいいか。中小零細企業にそんな人的余裕は無い。2:6:2に分化することは当然と認識しながらも、下位の2割が入れ替わるか、心を入れ換えてもらい全体のレベルアップを図るしかない。しかし、ダントツに社内のレベルについていけていない人は、「辞めさせてあげた方」が本人のためにもなる。

 さて、一般的に人は60%~50%しか能力を発揮していないという説がある。もし、100%出しているとしたら、少し加減して余裕を持たせた方がいいだろう。ただ、自分では頭も体もフルに仕事をしていると思っていても、実は第3者からすれば「もっと効率化する工夫ができないんだろう」と見られていると認識したい。上位の人はさらに効率アップの知恵を絞り、中・下位の人は能力を70%以上発揮するよう思考転換を計る〝考動〟を指導したい。

 上司は、社員たちの能力・特性を把握し、どんな仕事をさせることが最適なのか、どうすれば発揮能力の割合を上げられるのか…に腐心したい。コロナ禍の時期、社員にはもう一段の成長のためにギアの切り換えを期待する。

日本産機新聞 2020年10月5日

[ コラム ][ 仕事考 ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

裾野の広がり、多様な視点【現場考】

ギアチェンジは必要 日本能率協会の2023年の調査によると「管理職を目指したくない」と答えた一般社員の比率は77・3%で、5年前と比べ、5%も上昇したという。一般社員から見ると管理職が「魅力的ではない」と映るようだ。 「 […]

日伝  運搬支援ロボット「TugRos」を販売強化

資材の荷受け場などで人手不足に困っているが、プログラム設定が必要で高額な無人搬送車(AGV)や自律搬送ロボット(AMR)の導入に二の足を踏んでいる。そんなユーザーに今人気なのが、日伝(大阪市中央区、06・7637・700 […]

MECT2025 過去最高の524社が出展

メカトロテックジャパン2025を主催するニュースダイジェスト社(名古屋市千種区、052・732・2455)は6月5日、ポートメッセなごや(名古屋市港区)で出展者向けの説明会を開き、今回の出展者数は524社・団体、小間数は […]

トピックス

関連サイト