2026年9月10日(木)

白紙に新たに絵を描く –全体最適と意思表示–

改善より「改革」

 今、ビジネススタイルが大きく変わろうとしている。これは、ダイバーシティと言われた頃から動き出し、新型コロナウイルス感染拡大によって加速された。

 それは、塗り絵に正確に色を塗るというものではなく、白い紙に新たに絵を描くに等しい。従来のように「改善」をするというよりも、「改革」が必要な時だ。決められた目標に向かって着実に実行する前に、そもそも何をすべきか、正解のない答えを求めねばならない。

 会社は「新しいアイデアを出せ」「変革しろ」と言うだけで具体的な指示は出ない場合が多い。自分で考え、自分で実行しなければならない。指示を忠実にこなすだけの成長期と異なり、言い方は可笑しいがやりがいのある時代になったと言える。

 リーダーが考えるのではない。社員全員がリーダー的な発想で考えることを身につける必要がある。自分の担当領域で価値を最大化すると同時に、全社的な目線で全体最適を第一に考える。必要であれば、自部門に不利益な提案もでき、自部門の撤退作戦もやり遂げなければならない。自分や自部門にとって不都合な事実を隠し問題を先送りにしてしまったら、会社にとって取り返しのつかない事態に陥ってしまう。自部門最適と全体最適の両方の視点と思考が求められる。

 一方で、改革提案を出した時、全員賛成になりにくい。和や協調を重視して全員が納得する形に意見をまとめ全員賛成を得ておくと、事は円滑に実行できる。しかし、この決定は中間解であって最適解ではないかも知れない。

 白黒つけられない問題は折り合いをつけて落としどころを見つけるしかない。二者択一や正解がない場合は全員賛成が無理かも。調整は時間の無駄になる。反対意見があっても断じる。それが改革につながる。

 社員は、現場を知っている強みをフルに発揮して、現場情報の提供と「だから自分はこうすべきと考える」と意思表示すればいい。意見が出尽くしたら、リーダーの判断でとにかく動き始めるスピードが欲しい。

日本産機新聞 2020年8月5日

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