イノフィス(東京都新宿区)は今年8月、腰補助用装着型アシストスーツ「マッスルスーツ」の新しいモデル「GS-BACK」を発売した。既存モデルの「Every」に比べ、軽量で動きやすく、これまで以上に幅広い現場での活用が期待さ […]
日本すごいを世界に
楽天ソシオビジネス 杉浦 佳子選手に聞く
パラサイクリング
パラサイクリングをご存じだろうか。国際自転車連合(UCI)の規定する障害者の自転車競技だ。その競技で世界に挑戦する日本選手がいる。杉浦佳子選手(49歳)だ。自転車レース中の事故で高次脳機能障害を負ったのちもパラサイクリング選手として練習を続け、2019年に行われたUCIパラサイクリング・ロード・ワールドカップ(ベ・コモ)に出場し、タイムトライアルで金メダル、ロードレースで銀メダルを獲得。日本パラサイクリング連盟の強化選手として東京パラリンピック・メダル候補だ。同選手は競技だけでなく、選手を支えるスタッフ、ものづくり企業、そして応援してくれる人の思いをパラリンピックで発信したいという。彼女はどんな思いで競技に臨んでいるのか、彼女を突き動かしているものは何かを取材した。
結果がすべて
勝つことへの誘惑
始めたきっかけは。
健常者の20代の終わりに何かに挑戦したいと思いフルマラソンに出て完走できた。それで30代でも何かしたいと思い、トライアスロンを始めたのが自転車と出会うきっかけ。当時は女性選手も少なく、周りから本気にされずで、自転車屋さんが自転車を売ってくれなかったのを覚えている。
子供時代からスポーツを。
小さい頃からスポーツは好きだったけど、上を目指した記憶はなく、ソフトボールのほか、中学・高校はバスケ部で、毎日1人でシュート練習ばかりしていた。トライアスロンは仕事をしながら、朝からプールで泳ぎ、休日に自転車の練習を続け、佐渡国際トライアスロンで3位入賞した時、「これは世界1位になれるかもしれない」と。
トライアスロンの経験が活かされている。
乗り方や練習方法が全く違うので、その経験はあまり活かされていないと思う(笑)。自転車競技は伸びる部分がたくさんある。100m走は若い頃のように早く走れないけど、自転車は機材スポーツで乗り方やテクニックで年齢を重ねても伸ばせる可能性がある。それに100m走の選手がマラソンに出ることはないけど、自転車は短距離のタイムトラック(500m)と長距離のロードレース(51・8㎞)両方でメダルを取る選手もいる。
杉浦選手もその1人。元々長距離選手で短距離にも挑戦しています。
短距離と長距離とでは大きく違う。短距離はテクニック、回転数は同じでも重いギヤを踏むと速く走れるため、筋肉を付ける必要がある。今は良い感じで短距離からロードまで走れる体に仕上がってきている。
体作りは大変では。
プロのトレーナーが付いてメニューをこなし、食事も決められたものを決められた量を食べる。
好きなものを食べたいという衝動は。
オフにビールと好きなものを食べているので、それが楽しみ。いつか、生クリームを食べたい。パラが終わったらマックのポテトを食べる(笑)。
その衝動に勝つには。
勝てるよっていう誘惑の方が強い。負けず嫌いではないけど、メダル取れるよって言われたら、メダルを取るしかない。そのためにやるべきことはやらないと。今は日本の出場枠を取ることが優先。もし、メダルの可能性が高い若い選手が出てきたら、出場枠を譲る。メダルを取れる人が出る勝負の世界。そこに恨みはありません。
人と機材の融合
自転車(機材)と選手との関係は。
自転車のねじ1個でも軽量化できたり、空気抵抗を変えたりなど、考えている人がすごい。例えば、工具でも手に馴染んだり、締め心地であったり、何気に使っているものが実はすごく工夫されている。そこがものづくりの面白いところだと思う。自転車も軽い方が良いではなく、強度や規定もある。タイヤが変わるだけで同じ力で走ってもタイムが変わってしまう。選手と自転車の関係は密接で、自分に合った自転車で姿勢を保つテクニックと体を作っていく。そういった意味で機材と一緒に上を目指している。
競技する上で曲げられないものは。
選手はみんな勝たなきゃいけない。私は努力したというのは主観だと思っていて、結果がすべてだと思う。だから、練習後の乳酸値も測って、今日本当に頑張ったか確認する。普段は薬剤師で1日に何人の患者に対応したか数値で見ている。患者に対応するのが1番しんどい仕事なので、自分が1番だったと分かると安心する(笑)。
初めて見る人のために、パラサイクリングの面白さは。
私は駆け引きのスポーツだと思っていて、先を読む力、状況判断が必要。私はタイムトライアルやロードなど3種目に出場するが、タイムトライアルで1位の人がロードでも1位になるのは本当に難しい。なぜなら、1位になると当然マークも厳しく、レース集団の先頭に立たされる。自転車競技の先頭は空気抵抗などで1番つらいポジション。また、走りながら周りの選手の強み弱みを見る。それも心理戦でワザと疲れたフリをする選手もいるほど。レースは最後の渾身のアタックで勝負が決まるため、タイミングや状況判断を見誤ると、最後に抜かれてしまう。
パラリンピックまで1年を切った。
今はどれだけパワーを付けて、テクニックや状況判断、今という時のアタックなど、あとどれくらい成長できるかが勝負。そこには私1人の力だけでなく、日本の職人さんが作ってくれた道具や機材、メニューを考えてくれたコーチ、応援してくれる人達も含めて、『ジャパンすごい』っていうのを世界に見せたい。直接自転車に関わらなくても応援してくれると力が湧いてくる。それをパラリンピックで見せることで、若い人や私と同世代の人達が頑張ろうと思えるようにしたい。
五輪後は何を。
小学校などで体験会を開いて、将来自転車選手としてオリンピックやパラリンピックに出たいという子供が出てきたらいいなと思う。1週間に1校回れば、1年間で47都道府県を回ることができる。以前、沖縄で開いた体験会で、目の見えない子が最初、自転車に乗れなかったけど、乗ってキラキラしながら楽しくしている姿を見て嬉しくなった。そうした子供の成長を見られたらと思う。
日本産機新聞 2020年1月5日
TONEは、本社を同社最大拠点である河内長野工場に統合、移転した。9月26日から業務を開始した。 今回の統合により、開発、製造、営業企画、品質保証、管理の各部門と経営を一体化。部門間のコミュニケーション向上を図り、一層綿 […]
ツーリングメーカーのエヌティーツール(愛知県高浜市、0566-54-0101)は福岡県筑紫野市に九州事務所を開設し、九州地域での迅速かつ細やかなサービスを提供することで顧客の課題解決に応えていく。住所は福岡県筑紫野市原田 […]