2020年1月19日(日)

ロボ販売で成長描く
いかにSIerと連携するか

 ピッキングや搬送、組立など様々な作業を自動化するロボット。人手不足を背景に、それを解消する技術として製造業で需要が拡大している。用途開発や周辺技術が進化し、活用できる領域も広がっている。新たな自動化設備として機械工具販売店が積極的に販売する動きが広がり始めている。

ロボ+周辺機器で収益伸ばす

製造業でロボットによる自動化ニーズは高まり続けている

 販売店A社は多関節ロボットのハンドリングシステムを受注した。工作機械で加工した自動車部品を取り出し、次の工程へと流すコンベアに供給する。システムはロボット2台で1セット。周辺機器などと組み合わせて約1千数百万円の案件だ。

 ロボットを受注するようになったのはこの3、4年。仕分けや箱詰め、組立などの自動機の需要は以前からあったが、ロボット搭載のニーズが増えているためだ。特にここ数年で伸び、今では10件に3~4件はロボットの要望があるという。

 背景にあるのは日本の労働人口の減少。少子高齢化により人手が不足し、それを補うために生産設備の自動化が進む。その一つ手段としてロボットの導入が進んでいる。

 日本ロボット工業会によると日本のロボットの2018年の受注台数は19年に比べて5・5%増え約24万8千台、金額ベースで1・9%増の約9623億円。米中貿易摩擦の影響で設備投資が減速気味だが、それでも19年は金額ベースで9400億円になると予想する。

 ロボットはこれまでにも自動車や電機製品の溶接や組立で用いられてきた。いま導入が進んでいるのは、人手不足に加え、いくつかの理由が後押ししているからだ。

 その一つが販売価格の低下。十数年前と比べると大幅に販売価格が下がった。小型の多関節ロボットでは百万円前後のものも。販売店B社の幹部は「自動機よりもロボット搭載の方が投資コストの低いケースがあり、提案しやすい」。

 そしてもう一つが技術の進化。ロボットの動作のスピードや精緻さをはじめ、センサやカメラなど周辺機器の性能が向上し、ロボット活用の領域が広がっている。あるカメラメーカーは「異なるサイズや異なる向きに積んだ品物もカメラで識別してピッキングすることもできる」。

 ただ、こうした技術を提案しロボットの導入へと導ける販売店はまだ少ない。それを担ってくれるのは専門的な知識や技能を持つシステムインテグレータ(SIer)と呼ばれる技術集団。SIerとの連携がロボット販売の一つのカギだ。

 しかしロボットの需要が増え続ける中、手が回らず対応してくれないこともあるという。販売店C社は「引き合いの段階でユーザーの要望をある一定のレベルで理解し、フィードバックしないとフォローしてくれない」。

 そこで販売店D社は専門チームを立ち上げた。専門家と契約を結び、ロボットの知見を広げた。ユーザーとSIerをつなぐことに徹し、ユーザーの導入目的やその方法、要求する性能、コストなどの情報を伝える。SIerと協力する関係になり、ロボットシステムを受注している。

 人手不足が進む中、ロボットの需要が拡大するのはほぼ間違いない。そして作業品質の安定化や、測定の自動化など新たな活躍の領域も広がっている。

 販売店E社の社長は「いまは黎明期。だからこそ提案力の一つとして力を入れる。それにロボットは周辺機器とのコーディネートが伴う。メンテやリピート受注など顧客との関係をより密接にできる」。

 

日本産機新聞 2019年12月5日

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