2025年11月13日(木)

ニードルベアリング開発
加茂精工

カムラック&ピニオン
TCGシリーズを強化

 ノンバックラッシの高精度機器メーカーである加茂精工(愛知県豊田市、0565-76-0029)は回転・直線のノンバックラッシ駆動エレメントのカムラック/リング&ローラピニオンであるTCGシリーズの新製品「CRC/CPC3212A」「CRC/CPC4012A」を含む全6型式を発売した。小型かつ強度向上を図るため、新たにニードルベアリングを自社開発し、搬送重量の大幅な向上を実現。

 開発した背景にはギアとピニオンの比較がある。尾崎政志部長は「ローラピニオンはギアと比べ、慣性モーメントが大きく、制御性に不利があり、取り付けスペースも大きくする必要があった。それを小型化しつつ能力アップを図ることが狙い」と話す。そこで課題となったのがベアリングの強度で、試験機を自社開発し、実際の使用条件を想定した試験を行いながら、独自のニードルベアリングの開発が必要と判断。技術部の岸賢吾主任は「当初、ベアリングの保持器は金属を検討していたが、試験の結果、形状を工夫することで必要な強度を確保し、さらに金属よりも摩擦抵抗が引く良好」と、樹脂保持器の開発に切り替える。特に問題だったのはころの幅隙間を少なくし、傾かない構造にすること。ころが傾むくと、スキュ—と呼ばれる軸回転中心ところ軸との角度ズレが生じ、スラスト方向への荷重による摩擦での温度上昇や早期摩耗が起こってしまう。そこで、ころの両端部を包み込むように把持できる樹脂保持器を設計し、ころと保持器が相互にズレを抑制する助け合い構造を考案(特許取得済)。これにより従来モデルに比べ、搬送重量が160~300%向上した。

 尾崎部長は「負荷能力の向上した新製品により、従来品では出来なかった自動車関連や物流関連などの大型案件も受注できるようになった」。今後は新しい減速機の開発を視野に入れている。

 

日本産機新聞 2019年11月5日

[ 伝導装置用品 ][ 日本産機新聞 ][ 製品 ] カテゴリの関連記事

三井精機工業  那須  要一郎社長 「『三井』ファン増やす」

既存顧客を大事に、持続成長目指す 「地道に『三井ファン』を増やし続けたい」。そう話すのは、今年6月に三井精機工業の社長に就任した那須要一郎氏。「既存のお客様を大事にしながら、永続できる会社にするのが自らの役目」という。 […]

ミスミグループ本社 グリゴグループに自販機導入

ミスミグループ本社は9月19日、同社が提供する間接材の調達コスト削減サービス「MISUMI floow(フロー)」をグリコグループの製造部門を担うグリコマニュファクチャリングジャパンが導入したと発表した。食品業界での採用 […]

【Innovation!】コンプレッサ・周辺機器

省エネ対策で電力費削減 工場内の電力量の3割近くを占めると言われるコンプレッサ。電力量の使用量を減らすには、省エネ仕様の機種や効率的な運用が欠かせない。こうしたニーズに対応すべく、インバータ搭載の省エネ機種、環境負荷を低 […]

トピックス

関連サイト