2025年12月27日(土)

ニードルベアリング開発
加茂精工

カムラック&ピニオン
TCGシリーズを強化

 ノンバックラッシの高精度機器メーカーである加茂精工(愛知県豊田市、0565-76-0029)は回転・直線のノンバックラッシ駆動エレメントのカムラック/リング&ローラピニオンであるTCGシリーズの新製品「CRC/CPC3212A」「CRC/CPC4012A」を含む全6型式を発売した。小型かつ強度向上を図るため、新たにニードルベアリングを自社開発し、搬送重量の大幅な向上を実現。

 開発した背景にはギアとピニオンの比較がある。尾崎政志部長は「ローラピニオンはギアと比べ、慣性モーメントが大きく、制御性に不利があり、取り付けスペースも大きくする必要があった。それを小型化しつつ能力アップを図ることが狙い」と話す。そこで課題となったのがベアリングの強度で、試験機を自社開発し、実際の使用条件を想定した試験を行いながら、独自のニードルベアリングの開発が必要と判断。技術部の岸賢吾主任は「当初、ベアリングの保持器は金属を検討していたが、試験の結果、形状を工夫することで必要な強度を確保し、さらに金属よりも摩擦抵抗が引く良好」と、樹脂保持器の開発に切り替える。特に問題だったのはころの幅隙間を少なくし、傾かない構造にすること。ころが傾むくと、スキュ—と呼ばれる軸回転中心ところ軸との角度ズレが生じ、スラスト方向への荷重による摩擦での温度上昇や早期摩耗が起こってしまう。そこで、ころの両端部を包み込むように把持できる樹脂保持器を設計し、ころと保持器が相互にズレを抑制する助け合い構造を考案(特許取得済)。これにより従来モデルに比べ、搬送重量が160~300%向上した。

 尾崎部長は「負荷能力の向上した新製品により、従来品では出来なかった自動車関連や物流関連などの大型案件も受注できるようになった」。今後は新しい減速機の開発を視野に入れている。

 

日本産機新聞 2019年11月5日

[ 伝導装置用品 ][ 日本産機新聞 ][ 製品 ] カテゴリの関連記事

工作機械・切削工具メーカーが各地でプラショーやカンファレンスを開催

オークマ「オークマ・マシンフェア2025」 オークマは11月12日から14日までの3日間、愛知本社で「オークマ・マシンフェア2025」を開催した。 人手不足や熟練作業者不足などの課題を解決する同社の最新技術を披露した。5 […]

日立産機システム CO2削減量をクレジット化する新サービスを始動

日立産機システム(東京都千代田区)は既存機から新型コンプレッサへの置き換えで削減できた二酸化炭素(CO2)の排出量をクレジット化するサービスを2026年度に開始する。クレジットは市場で売却し、得た収益はユーザーに還元する […]

経済産業省  航空機武器産業課 航空機部品・素材産業室  西山  正室長に聞く【特集:航空機産業-アジアの需要を掴む-】

供給網の強靭化、重要性高まる 経済産業省は2024年4月に「航空機産業戦略」を策定し、今後の方向性を打ち出した。成長のカギの一つとして挙げるのが、サプライチェーン(供給網)の強靭化。安定供給を実現するため、国内に加え、海 […]

トピックス

関連サイト