2026年7月17日(金)

BCP策定を提案

 自社でのBCP(事業継続計画)策定に加え、ユーザーにBCPを提案する動きが広がりつつある。BCPへのニーズの高まりや、市場拡大が期待できるためだ。山善やユアサ商事ではBCP策定をサポートする仕組みを構築。それらを活用し、自社のBCP策定やユーザーに提案する販売店も出てきた。一方で、BCP関連商品は継続的な売上が見込みづらく、収益化に時間が掛かるというのも課題。しかし、工場と違う部署や経営者に提案できたり、物販だけでなくコト売りにつなげたりするなど、BCPを戦略的な施策に位置づける企業も出始めている。

コト売りの手段に

 ある民間企業の調査によると、2018年にBCP対策をしている企業は16%程度に留まるという。一方で、19年度のBCPを含む危機管理に関する市場は1兆円を超えるという試算もある。今後取り組む企業が増えていく可能性は高く、BCP関連は成長市場といえる。機械工具業界でも自社のBCP策定に加え、需要を喚起しようとする動きが広がっている。

 広商NEXUSではサーバーの二重化を図るなど様々なBCP対策を進めている。受発注業務がシステム化されている今、システムがダウンすると事業継続に支障をきたすのは明らかだ。林龍一常務も「ITインフラの強化は最重要課題だ」という。さらに「デジタル強化は販売店にとって大きな競争力。業務の効率化とスピード対応が可能になる」とも話す。

 BCP策定をユーザーに提案する動きも出始めている。数年前から山善ユアサ商事では、コンサルティング企業と提携し、BCPに関する相談から策定、備蓄品の機器選定などトータルでのサポートできる仕組みを構築。セミナーを開催したり、BCPに長けた人材を育成したりしている。

販売店も社内で策定

 新潟県の淵本工機では、山善の仕組みを活用し、自社のBCPに関する診断を受けるとともに、ユーザーにBCP策定の提案を始めている。「現状はBCPの重要性を認知してもらう段階」(淵本友隆社長)。

 このように自社のBCPや、需要喚起する動きが広まりつつある。しかし、事業として確立するまでには難しさも伴う。収益化が難しく、時間も掛かるからだ。ある商社幹部は「BCPに関連する商材は備蓄品などが多く、消耗品は少ない。そのため、継続的な売上にはつながりづらい」と話す。淵本社長も「策定に関する相談などが先なので、物販はまだ先になりそう」と同意する。

 では、BCP提案に取り組むメリットは何か。淵本社長は「経営者と経営的な課題を話すことができ、深い関係を築くことができる」という。さらに、コンサルティング的な要素も含むため「物売りからコト売りへの意識の変革を促す契機にしたい」とも話す。

 機械工具業界でも、単なる物売りからコト売りへの変化を訴える声も少なくない。そのために、ロボットを活用した自動化やシステム提案、物件モノの受注を狙う販売店も多いが、BCPの提案もこれらと同じく、コト売りに変化していくためのツールとして活用できそうだ。

 

日本産機新聞 2019年10月5日

[ 日本産機新聞 ][ 業界分析 ][ 特集 ] カテゴリの関連記事

コハラが食品機械事業に参入 充填からパレタイズまでの自動機を開発

機械工具販売店のコハラ(静岡県焼津市、054・629・6226)は食品機械事業に参入する。子会社のエンジニアリング会社が充填機からシール封止までができる食品製造ラインを開発した。今後は同技術を生かし、食品だけでなく、医療 […]

日本レヂボン、レヂボン水魚会・支部総会を開催 生産能力増強で内外需を取り込む

日本レヂボン(大阪市西区、06・6538・0136)は6月10日、ホテルモントレ大阪(大阪市北区)で関西支部、中・四国支部、九州支部合同のレヂボン水魚会支部総会を開いた。日本や欧米市場でのシェア拡大や受注増に合わせた生産 […]

特集 成長する脆性材・樹脂・ゴム加工

機械や工具など技術開発が進む 直近、生成AIやデータセンターの投資が活発になり、半導体及び半導体製造装置の需要が急増。そのため、装置関連部材に活用される各種セラミックス(アルミナ、窒化アルミ、SiC)や石英ガラスなど脆性 […]

トピックス

関連サイト