2020年10月21日(水)

金型に特化、尖った会社に
三菱日立ツール 菊池 仁社長に聞く

1984年上智大学外国語学部卒業後、三菱金属(現三菱マテリアル)入社。東京製作所、ファブメット(現米国三菱マテリアル)、筑波製作所、加工事業カンパニー超硬製品事業部などに勤務。2011年加工事業カンパニー超硬製品事業部物流統括部長、13年人事部人事企画室長、15年米国三菱マテリアル社長、18年執行役員加工事業カンパニーバイスプレジデント兼企画管理部長。19年4月より現職。秋田出身、57歳。

 今年4月、三菱日立ツールの社長に就任した。増田照彦相談役(前社長)から経営のバトンを受け、「やることは決まっている。金型に特化して、尖った会社になるということに変わりはない」と意気込む。

 自らを「切削工具メーカーにいながら、自分の手で切削工具を売ったことがない特異な経歴」と称するように工場管理やマーケティング、企画管理といった裏方としてのキャリアを歩んできた。「営業が花なら、根っこの部分を担ってきた」と自身を振り返る。

 海外経験も豊富だ。米国の現地法人に通算で10年以上駐在し、2015年からの3年間は社長も務めた。米国では工具の発注管理や納期管理、社内システムの構築などを手掛け、米国市場の開拓に貢献した。

 三菱日立ツールには以前から強い印象があったという。ターニング工具を極端に縮小し、ミーリング工具に特化したことに対して「一般的に戦略というと、“何をやるか”を考えがちだが、“やらないことを決める”のは非常にすごいことだと感じた」と話す。

 その方向性は自身が社長になっても変わらない。親会社の三菱マテリアルが総合的にすそ野の広い製品ラインアップを揃える一方、三菱日立ツールでは、金型加工という分野で「深く」を追求する。

ユーザー目線で開発 加工全体を俯瞰し提案

その取り組みの一つが、「もっと顧客に入り込むこと」。今春には、自社で初めて金型を製作した。「ユーザー目線で発想を変えることによって、ユーザーにとって本当に必要な工具が見えてくる」。より顧客に近づくことで、新たな工具開発や用途開発につなげる狙いだ。

 また、「工具単体では商売できなくなっている時代。工具費だけでなく、全体の加工費でみてもらうことを突き詰めていくことが今後は必要になる」。成田工場(千葉県)と野洲工場(滋賀県)の両工場に設置されているテクニカルセンターを活用し、加工トータルでの提案
をより強化する考えだ。

 社長に就任して3か月。商社やユーザー、社員と積極的にコミュニケーションを図りながら、成長戦略を描く。「独特な存在感を出していかなければいけない。金型加工と言えば、まずはMOLDINO(=三菱日立ツールの製品ブランド名)が浮かぶような工具メーカーにして
いく」と決意を固める。

日本産機新聞 2019年6月20日

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