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機械・機器・切削工具 下期も好調を維持
堅調な設備投資がけん引
工作機械を中心に4~9月期の機械工具関連業界は好調に推移している。工作機械受注は9カ月連続で対前年同月比を上回り、このままの勢いを持続できれば、通期で過去2番目に高い水準も見えてきた。工作機器の生産は今年に入り、月産130~160億円の高原状態をキープ。切削工具も同様で4月以降は毎月330億円の生産を確保している。半導体業界の設備投資の好調さや、中国での自動車やスマートフォン向け需要などに加え、国内も自動車を中心に幅広い業種で底堅さを維持しているためだ。下期以降は、機械工具上場商社では見通しを変えておらず、今の水準を維持するとの強気な見方も多い。
日本工作機械工業会(日工会)の8月の受注実績(速報)は1336億4200万円で、8月の過去最高を記録し、昨年12月から9カ月連続で対前年同月比を上回る。1~8月累計では前年同期比23.8%増の1兆315億1300億円で、単純計算すると年計1兆5400億円超となり、過去2番目の高水準も見えてきた。27日の日工会の会見では上方修正するとの声が多い。
工作機械にけん引され、工作機器や切削工具も高原状態をキープしている。日本工作機器工業会の発表では、7月の生産額は前年同月比16%増の160億4400万円で、10カ月連続で前年同月を上回る。「ボールねじや直動案内など納期が長くなっている」(ある機械メーカー)と調達の懸念さえ出ているほどだ。
切削工具も好調を維持している。日本機械工具工業会の7月の会員生産統計によると、対前年比9%増の363億5700万円で、高い水準を維持。タンガロイの木下聡社長が「1~6月は前期比2ケタ以上の増収」と話すなど、大半のメーカーで、上期は前年を上回る水準だったようだ。
国内では半導体業界の設備投資の増加や自動車業界の底堅さ、海外では、中国での自動車やスマホ向けの投資など、幅広い産業分野で設備投資が進んでいるためだ。日工会7月の統計でも、一般機械、自動車、電気、精密、航空・造船など主要業種は全て前年同期比を上回っている。
下期以降をどう見るか。
上期の好調をけん引した半導体業界。日本半導体製造装置協会によると、17年度の半導体製造装置の販売高を11%増の1兆7363億円と見込むなど、このまま好調を持続しそう。切削工具も、ダイジェット工業の古林雄一常務は「切削工具は機械から半年遅れる傾向にあり、下期以降も回復する」と話すように、下期も期待できそうだ。
機械工具上場商社の通期見通しでは、ネット通販の好調などを理由にトラスコ中山が上方修正したが、他社は期初見通しを変えておらず、このままの水準を維持する見方が強い。
日本産機新聞 平成29年(2017年)9月25日号
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